美青年ティモシー・シャラメが歌って踊る『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』(2023)、リドリー・スコット監督、ホアキン・フェニックスがナポレオンを演じる『ナポレオン』(2023)、ヴィム・ヴェンダース監督、役所広司 主演の「PERFECT DAYS」(2023)など、話題の新作映画の公開が目前の11月。寒くなりましたね。
2023年も残すところ2か月になった今月は、ほぼ同年齢の2人、山田洋次監督(1931年9月13日生まれ)の『キネマの天地』(1986)『キネマの神様』(2021)。クリント・イーストウッド監督(1930年5月31日生まれ)の『ガントレット』(1977)『スペース カウボーイ』(2000)『ミリオンダラー・ベイビー』(2004)などを中心に、『恋をしましょう』(1960)『チップス先生さようなら』(1969)『いちご白書』(1970)など、ふだんはあまり見る機会のない隠れた名作がそろったのがお楽しみ。
プレミアムシネマ「恋をしましょう」
11月2日(木)[BSプレミアム]午後1:00〜3:00
公開時には主演2人のゴシップばかりが書き立てられた、『恋をしましょう』。クレジットには載っていないけれど、撮影当時、まだマリリン・モンローと結婚していた、「セールスマンの死」などで有名な作家アーサー・ミラーが脚本に参加していた(口をだしていた?)、というようなことを知れば、興味がさらに増すことになりそうだ。
ハリウッド映画を代表するセクシーな俳優マリリン・モンローと歌手で俳優のフランス人、イヴ・モンタンの主演2人が恋に落ち、モンタンの妻シモーヌ・シニョレが自殺未遂事件を起こした、ということでも有名な映画だ。
プレミアムシネマ「いちご白書」
11月29日(水)[BSプレミアム]午後1:00〜2:43
学園闘争が盛んだった1970年に生まれた『いちご白書』はジェームズ・クーネンの実話をもとに作られた。映画のタイトルに使われた“いちご白書”という言葉はコロンビア大学の学部長の発言から取られたそうだ。小品だったにも関わらず時代の波に乗って日本で大ヒット。日本のフォークグループ、バンバンによる「『いちご白書』をもう一度」という曲が生まれた。
プレミアムシネマ「ジュディ 虹の彼方に」
11月3日(金・祝)[BSプレミアム]午前9:30〜11:29
ジュディ・ガーランド役のレニー・ゼルウィガーが全曲自分で歌ってアカデミー主演女優賞を受賞したのが、ジュディ・ガーランドの伝記映画『ジュディ 虹の彼方に』(2019)。『オズの魔法使』(1939)で大成功を収めたジュディが、豊かな才能に恵まれながら苦難の人生を歩んだ道筋をたどるこのドラマは、2005年初演の舞台劇「エンド・オブ・ザ・レインボー」を原作にしている。
プレミアムシネマ「チップス先生さようなら」
11月8日(水)[BSプレミアム]午後1:00〜3:36
英国作家ジェームズ・ヒルトンの原作をミュージカル化した、「チップス先生さようなら」(1969)。ダンサー出身で舞台演出家だったハーバート・ロスの映画監督デビュー作で、2度目の映画化。最初の映画化は1939年、チップス先生役のロバート・ドーナットは、圧倒的有力だった『風と共に去りぬ』(1939)の主演クラーク・ゲーブルを破ってアカデミー主演男優賞を受賞した。
時代を代表する名作から知る人ぞ知る公開当時の注目作まで、今月もたっぷりお楽しみください。
<記事で紹介した、そのほかの作品の放送予定>
プレミアムシネマ4K「ミリオンダラー・ベイビー」
11月5日(日)[BS4K]午後1:00〜3:14
プレミアムシネマ「キネマの天地」
11月6日(月)[BSプレミアム]午後1:00〜3:16
プレミアムシネマ「キネマの神様」
11月13日(月)[BSプレミアム]午後1:00〜3:07
プレミアムシネマ「スペース カウボーイ」
11月20日(月)[BSプレミアム]午後1:00〜3:11
プレミアムシネマ「ガントレット」
11月27日(月)[BSプレミアム]午後1:00〜2:50
そのほかの映画情報はこちら
【コラム執筆者】
渡辺祥子(わたなべ・さちこ)さん
共立女子大学文芸学部にて映画を中心とした芸術を専攻。卒業後は「映画ストーリー」編集部を経て、映画ライターに。現在フリーの映画評論家として、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ等で活躍。映画関係者のインタビュー、取材なども多い。また映画にとどまらずブロードウェイの舞台やバレエなどにも造詣が深い。著書に「食欲的映画生活術」、「ハリウッド・スキャンダル」(共著)、「スクリーンの悪女」(監修)、「映画とたべもの」ほか。
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