50cmオーバーですら夢のまた夢、というアングラーが大半を占める関東のプレッシャーレイク亀山湖において驚くべき頻度で「ロク」を手にしている男がいる。その磨き抜かれた理論とノウハウを春の亀山湖で追った。城ノ上巧さんの春のロクマル狙い3大ルアー、今回はノリーズ『フラチャット』と『フリップギル』を使った異形のブレーデッドジグ「ギルチャット」の使い方をレポート。
城ノ上巧さんのプロフィール
城ノ上巧(じょうのうえ・たくみ)
1974年千葉県出身。二十歳を過ぎてからバス釣りをはじめ、高滝湖で開催されているNBCチャプター南千葉では初年度で年間チャンプに。その後ホームグラウンドを亀山湖に移し、「ロクマル」だけを念頭においた独自のパターンを構築。2018年に釣った64cmを皮切りに、これまでに7本の60cmオーバーをキャッチしている。
尊敬する田辺哲男さんに「もはや次元が違う」と言わしめるほどの実力で、今日もでかバスを求め湖上へ繰り出す。好きなビールの銘柄はエビスビール。
ワンドにおける着眼点
前回「アウトサイドの一等地」をチェックしたあとは、まったくロケーションの違う「じいさんワンド」へ。このエリアはかつて、早春の亀山湖でレコードフィッシュが出た(しかもオカッパリで!)ことでも有名な大場所だ。
城ノ上「ここは奥にインレットがあって、しっかりチャネルが通っている。ワンドならどこでもいいわけじゃないです。さらに、エサを求めて回遊するビッグフィッシュのルートを考えるのが大事。あんまり言いたくないんだけど…意識するのは、ワンド内でもやっぱりアウトサイドです」
ロクマルたちは、そうした特定のルートを複数尾でクルーズしている、と城ノ上さんは感じている。昨年の3月にこのエリアで60.5cmを釣ったときも、わずか2時間ほどのあいだに推定65cmオーバーをミス、直後に54cmをキャッチと、短時間でバイトが続いた。
城ノ上「今年も同じストレッチで反応があって、やっぱりルートは決まっているんだな、と確信しました。といっても居着いているわけじゃないから、タイミングを変えて何度も入るのが大事。ほかのアングラーが直前を流していても関係ないですね。場所とタイミング、そして『ルアー』が合っていないとロクマルは振り向かないから」
5cm刻み!? 繊細なキャストがバイトを呼ぶ
「ロクマルが食うルアー」のひとつとして、城ノ上さんが絶大な信頼を寄せているのが通称『ギルチャット』。フラチャットにフリップギル 5inをセットした、異形のブレーデッドジグだ。
じいさんワンドでは、これでオーバーハング下の張り出しを絨毯爆撃。ショートキャストで、ときには木の枝の下に潜り込みながら、細かく丁寧に撃ち込んでいった。
城ノ上「ギルチャットは、ボリュームはあるけれど弱い。スイムジグみたいなイメージです。遠くから魚を引っぱるタイプのルアーではないから、近くを通してやる必要がある。この時期はまだ水温も低いし、ハイシーズンと違って横方向に追いやすい時期ではないから、コースが10cm違うだけで食わなかったりする。濁っていれば5cm刻みでもいいぐらいです」
有名エリアだけあって常にボートの行き来が途絶えず、このときも先行者が3艇ほど浮いていたが、城ノ上さんのめざすストレッチはかろうじて空いていた。互いに邪魔にならない範囲であれば、プレッシャーもエレキの音も気にせずチェックするほうがいいという。
フラチャット 14g+フリップギル 5in(ノリーズ)
ギルチャット
「僕以外のアングラーも含め、ここ数年の亀山湖でいちばんビッグフィッシュを食わせているんじゃないか」と城ノ上さんが語るアイテムがこれ。
もともとはフリップギル単体をジグストなどで使っており、反応はいいがフックアップしづらいのが難点だった。それをクリアするため、試行錯誤の末にこのセッティングにたどり着いた。
城ノ上「巻いているだけで簡単にジグスト状態を作り出すイメージですね。春は圧倒的に『巻き』が効くケースが多いので、絶対に外せないルアー」
セッティングは微妙なバランスで成り立っていて、スカートを外すと泳ぎが安定せず、逆に多すぎてもダメ。新品の状態から10~15本ほど間引いて使う。
ワームの装着方法などの詳細は城ノ上さんのブログ、またはYouTube「のむボちゃんねる/ギルチャットの作り方」でチェックしよう。
『ルアーマガジン』2023年6月号 発売情報
からの記事と詳細 ( ロクマルが喰うルアー『フラチャット&フリップギル』城ノ上巧 ... - ルアマガ+ )
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