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Saturday, May 13, 2023

【連載小説】きらん風月(124)三河吉田の御当主様 - 産経ニュース

大前純史・画

第十一章 散る桜 二 (文・永井紗耶子)

夜燕(やえん)もまた、天目(てんもく)を通じて商家の子らや、女たちに手習いや絵、箏も教えており、界隈では有名な「先生」になっていた。

子どもらに餅を配っていた夜燕が木朶(もくだ)に気付いて、二人の側へやって来た。

「木朶先生、本年もよろしくお願いします」

「こちらこそ」

「それにしても、このお正月はやけに温かいですねえ」

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