騒がしかった蝉の鳴き声も影を潜め、つるべ落としを感じる季節になりました。朝夕に秋を感じる瞬間もあり、確実に季節が進んでいることを実感しています。
皆様方も寒暖差で体調を崩されませんよう、ご自愛下さい。
さて、今回は「外から見ると、不思議だらけの但馬地域」第四回です。
初秋の但馬地域。この季節には、他の地域に無い但馬の趣があります。
その一端を感じて頂ければ、幸いです。
第四回:○○の秋。。。
食通なら、食欲の秋、実りの秋。運動好きなら、スポーツの秋。
演歌好きなら、八代亜紀。
但馬では一風変わった秋がある。芸術の秋だ。
今回は、但馬の芸術の秋についてお話ししたい。
映画や芝居を見なくても生きていけるし、祭りが無くても、踊ることが無くても生きていける。もちろん酒なんて必要ない。
だけど、そんな人生は楽しいだろうか。
悲しいとき、嬉しいとき、やるせないとき、空しいとき。。。
仲間と酒を飲み、歌を歌い、或いは映画や舞台の主人公に自分を重ねることで、どれだけの人が救われ、そして元気づけられているか。。。
芸術とはそんなもののように思う。
これは私が尊敬する方から伺った話である。
私なりに解釈すると、「人生をうどんに例えるなら、一味のようなもの」。(少し、いやかなり違うかもしれないが。。。)
それが芸術だと理解している。
公舎の近くに芸術文化観光専門職大学がある。
この大学には、反軍演説で有名な、但馬出身の政治家斎藤隆夫氏にちなんだ「静思堂シアター」がある。
ときおり、この場所で学生さん達による公演が開かれている。
昨秋、ここでの公演を見に行く機会があった。
仕事を終え、普段着に着替えて会場に行く。
そこでは、かの有名な劇作家 平田オリザ氏が出迎えてくれる。
襟を正し(正確には、襟の無いTシャツを着ていたが)、慇懃にご挨拶をする私に対し、満面の笑みで応えてくれる平田氏。それだけでも、十分に会場に来た値打ちがあると満足な私。
ただ、私は、正直なところ舞台芸術には縁遠い生き方をしてきた。
舞台を見ても、いつ始まったのか、いつ終わったのかさえ良く分からない。
しかし、しかしである。
良く分からないままでも、十分に時間を忘れさせてくれるのである。
少なくとも、観劇の間は日々の喧噪を忘れさせてくれる。
観劇を終え、公舎までの夜道を歩いていると、同じく観劇を終えたご家族の会話が耳に入る。
「役者が持っていたカバンがいけない。豊岡カバンを使わないと。。。」
芸術が但馬の秋に溶け込んでいることを実感した次第である。
専門職大学だけではない。
YBホール、香住中央公民館等々、但馬の至る所で芸術がひしめいている。
秋の夜長と言われるが、但馬の秋は長さを感じさせない芸術の秋である。
(但馬県民局長 登日 幸治)
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からの記事と詳細 ( R4.9 局長メッセージ 但馬県民局長・登日 幸治(とび こうじ) - hyogo.lg.jp )
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