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Wednesday, July 13, 2022

ししいわハウス軽井沢〈SSH No.2〉がオープン、設計は建築家の坂茂氏 |CULTURE|TECTURE MAG(テクチャーマガジン) - TECTURE MAG

長野県・軽井沢町の隠れ家的なリゾート・ホテル〈SHISHI-IWA-HOUSE KARUIZAWA(ししいわハウス軽井沢)〉の敷地内に、2棟目となる施設〈SSH No.2)〉が完成し、7月1日に開業を迎えました。
1棟目となる〈SSH No.1〉に続いて、建築家の坂 茂氏が建物の設計を担当しています。

ししいわハウス(SSH)No.1

2019年オープン SSH No.1 外観(撮影:平井広行)

〈ししいわハウス軽井沢〉は、シンガポールに本社を構えるHDHキャピタル・マネージメント(HDH Capital Management)が、社会的企業として設立したHDHP GK社が運営する、複合的な宿泊施設です(総支配人:荻原大智)。

都会の喧騒から離れた場所に、知的創造のための建築空間を提供したいという思いから、2015年に開発がスタート。プロジェクトの第一弾となる〈SSH No.1〉が、坂氏の設計により、2019年2月に完成。開業しました(〈SSH No.3〉建設プロジェクトも進行中、設計は西沢立衛建築設計事務所が担当 / 後述)。

ししいわハウス(SSH)No.1

既存施設 SSH No.1 ライブラリー(撮影:平井広行)

〈ししいわハウス軽井沢〉の立地は、別荘地として全国的に有名な軽井沢でも人気の高い中軽井沢エリア。美しい山々と川の景色に囲まれ、野生動物とも遭遇する、自然豊かなロケーションです。この恵まれた環境との調和をテーマに創られているのが最大の特徴です。

ししいわハウス(SSH No.1)

SSH No.1 内観(撮影:平井広行)

世界的に知られた建築家による建築空間の中、パブリックスペースや客室に施されたデザイン、館内に配置されたアートの数々、地元の食材を生かした食事など堪能できる、施設全体がリトリート・コレクションとなっています。
典型的なホテルでの体験とは一線を画した、ソーシャル・ホスピタリティーの概念を取り入れた施設で、小規模ながらも、ここでしか味わえないラグジュアリーな体験を訪れた人々に届けます。

〈SSH No.2〉もまた、「建築とランドスケープの一体感を味わってもらいたい」という、設計者の坂氏の思いが反映された設計となっています。

ししいわハウスNo.2(SSH2)

SSH No.2 1階から2階へと続く”空中回廊”

館内へのアクセスは、長方形の建物を囲むウッドデッキに沿って、オープンエアのアプローチをぐるりと通り抜けます。緩やかな勾配がついた、森の中の空中回廊を渡っていくと、パブリックな屋外空間「フォレスト・テラス」に接続。三角の切妻屋根をもつ建物の2階には、メインダイニング「ザ・レストラン」をはじめ、「ザ・ワイン&ウイスキー・バー」と「シガールーム」が配置されています。

ししいわハウスNo.2(SSH2)

SSH No.2 2階 メインダイニング「ザ・レストラン」

建物は、小屋組みの切妻屋根を無柱のトラス構造で支えた圧巻の空間で、まるで自然の中にレストランが浮かんでいるかのよう。紙管なども使われたインテリアも、すべて坂氏がオリジナルでデザインしました。

ししいわハウスNo.2(SSH2)

SSH No.2 1階 客室

ホテルの客室は1階に配され、全12室。森の木々に近いテラスを全室で備え、窓際には職人の手業がつくりだした檜の湯船を配置。杉材の壁に囲まれた室内は、フック1つに至るまで、坂氏のデザイン哲学が反映されています。
ヘッドボードのテキスタイルは、アーティストのサトウアサミ氏によるオリジナルデザインです。

このほかにも〈SSH No.2〉では、国内外のアーティストの作品が見られる〈SSH No.1〉と同様に、館内にアート作品が飾られています。

ししいわハウスNo.2(SSH2)

SSH No.2 館内 写真ギャラリー

なかでも〈SSH No.2〉の写真ギャラリーに飾られた約30点のファインフォトグラフは、ロバート・フランク、ルース・ベルナール、アーロン・シスキンド、ルイス・ファウラー、イモージェン・カニンガムなど、名だたるアーティストによる貴重なオリジナルプリントで、世界でも指折りのコレクションとのこと。

坂氏が今回、設計した〈SSH No.2〉と、2019年にオープンした〈SSH No.1〉、この2つの建物に共通しているのは、周囲の環境に寄り添ったデザインであり、木造建築であること。
〈SSH No.1〉の建設では、木造パネル工法を採用。ハニカム構造紙材を合板で挟み込んだPHPパネルを37枚、工場で製造してから、現場に搬入して組み立てるという構造と施工方法をとりました。
周りの森の木々に沿うようにしてデザインされた曲線形の大屋根の下に、3つのクラスターを展開。全11室の客室で構成されます。

ししいわハウス(SSH)No.1

SSH No.1 外観 木々と調和した屋根の形状(撮影:平井広行)

ししいわハウス(SSH)No.1

SSH No.1 グランド・ルーム(撮影:平井広行)

ししいわハウス(SSH)No.1

SSH1 No.1階客室(撮影:平井広行)

ししいわハウス(SSH)No.1

SSH No.1 2階客室(撮影:平井広行)

ししいわハウス(SSH)No.1

SSH No.1 2階客室 バルコニーからの秋の眺望(撮影:平井広行)

ししいわハウス(SSH)No.1

SSH No.1 外観(撮影:平井広行)

既存の2棟に続いて建設される新棟においても、上記の「自然に寄り添う」というコンセプトが踏襲されます。

軽井沢にて2023年の完成を予定している〈SSH No.3〉の設計は、坂氏と同じく、プリツカー賞を(妹島和世氏との建築家ユニット・SANAAとして共同で)受賞している、建築家の西沢立衛が率いる西沢立衛建築設計事務所が担当。続く〈SSH No.4〉は、箱根に建設、2024年開業を予定しており、設計は妹島和世建築設計事務所の担当と発表されています(SSH No.3、SSH No.4 計画概要)。

ししいわハウスNo.3(SSH3)模型

SSH No.3 模型(設計:西沢立衛建築設計事務所)

ししいわハウスNo.3(SSH3)模型

SSH No.3 模型(設計:西沢立衛建築設計事務所)

ししいわハウス(SHISHI-IWA-HOUSE: SSH)
所在地:長野県北佐久郡軽井沢町長倉2147−768(Google Map

SSH 公式ウェブサイト
https://www.shishiiwahouse.jp/

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