
モトリーフール米国本社、2020年12月23日投稿記事より
マクドナルド(NYSE:MCD)は世界100カ国以上に3万9,000以上の店舗を持つ、世界で最も有名なレストランチェーンです。
ゴールデンアーチは利用者にとって、いつでもどこでも馴染みのある食事ができる目印です。
同社は長年進化を続けていますが、画一性を巧みに利用することで、魅力をあげて成功を収めています。
利用者は過去と変わらないマクドナルドでの体験を好んでいますし、バリューもそれほど悪くもありません。
そのような基盤を持つ同社を、投資家は今後もさらに成長すると考えています。
そのような中、投資家が注視するべき点がひとつあります。
成長要素は潤沢
マクドナルドのすべてのアイデアが成功しているわけではありませんが、同社は失敗よりも多くの成功、特に必要な時期に成功を収めています。
4カ月前にも成功体験がありました。
9月初旬の時点で、全米各地はニューノーマルの状態になりつつありましたが、COVID-19がもたらした後遺症は依然厳しいものでした。
学校再開の議論は活発に行われていたものの、レストランや小売店には引き続き厳しい規制が引かれていました。
世界的に失業者が多い状態で、必要不可欠なもの以外の支出は縮小していました。
マクドナルドの2020年第2四半期(4月~6月期)の業績も、そのような状況を物語るものでした。
売上は前年同期比マイナス29%、純利益はマイナス67%でした。
しかし同年9月には、若者に人気のラッパーであるトラヴィス・スコットをプロモーションに起用した、6ドルのセットが大当たりしたことで、同月の売上はここ10年で最高を記録しました。
巧みなプロモーションでひと月好調を期しただけで、企業が成功することはありません。
しかし、マクドナルドがこのような成功を収めたのは、同社の経営を象徴するものだと言えます。
すべてのアイデアが成功するわけではありませんが、中には大きな意味を持つ成功を収めるものもあります。
業績を見ると、利益は一直線ではないものの、ほぼ継続して成長しています。
さらに今後も成長を続けることが予想されます。
一方で売上は減少していますが、それは同社が戦略的に、店舗を直営店からフランチャイズ加盟店へ移管しているためです。
2020年9月時点で、全世界の3万9,096店のうちの93%がフランチャイズ加盟店です(5年前の同割合は82%)。
それにより売上は下がりますが、フランチャイズ加盟店の手数料やロイヤルティは比較的利益率が高いため、利益が上昇する可能性があります。
現在、移管はほぼ完了しており、今後の売上・利益成長につながることが期待されます。
高まるフランチャイズ加盟店のフラストレーション
一方で、直営店をフランチャイズ加盟店へ移管して、より利益率の良いフランチャイズ経営に注力するという同社の戦略は、加盟店経営者に負担を強いるとの指摘もあります。
フランチャイズは、ファストフード業界を象徴する形態です。
マクドナルドを始め、ライバルのウェンディーズやサブウェイは、本社がブランド活動や全国的な広告展開を行い、加盟店経営者が労働力を提供し経営を行っています。
また、加盟店経営者は本社に対し、定期的にロイヤルティを支払います。
マクドナルドの加盟店となることは、コストがかかり簡単なことではありません。すべての加盟店が、本社がすすめる全てのメニューの販売を歓迎しているわけではありません。
プロモーション費や必要な改装経費は上昇の一途を辿り、賃料に対する不満も高まっています(本社が店舗の不動産を所有し、店舗の売上に応じた賃料で加盟店に賃貸しています)。
さらに今月初めには、新型コロナウイルスによって逆風が吹く中、補助金の一部を削減すると同時に、2021年から適用される追加のフランチャイズ手数料を発表しました。
結論
同社のこの問題は致命的なものではなく、すぐに深刻な状況になるわけでもありません。
さらに、たとえ厳しい状況に直面しても、同社には、他のファストフード・チェーンよりも信頼できる、現金回収のメカニズムがあります。
同社が最も有名なブランドを有しているのには理由があり、投資家から注目されているのにも理由があるのです。
それにも関わらず、本社とフランチャイズ加盟店の間の緊張は解けるどころか高まる一方です。
そのような状況では、加盟店がマクドナルドのネットワークから離脱したり、新たなフランチャイズ店の加盟が妨げられたりするようなリスクが生じます。
とはいえ、それがマクドナルド株を避ける理由には、少なくとも今のところはなっていません。
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