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Thursday, April 30, 2020

配列も配置も自由自在 “無限の組み合わせ”が試せるキーボード「DUMANG DK6 Mini」レビュー - ITmedia

 「小指でShiftを押すのが大変」「Aの左にCapsLockはいらない」「親指でスペース以外も入力できたら」──長くPCのキーボードに触れていると、キーボードに対してこうした不満を持つ人もいるかもしれない。今回レビューするのは、このようなユーザーごとの不満にほぼ全て対応できるといえる、夢のようなキーボードだ。

中国・深セン超酷科技の「DUMANG DK6 Mini」

QWERTYは本当に効率的な配列か?

 キーボードのレビューに入る前に、キーボードの配列や配置についての背景を少し説明したい。

 PCのキーボードの配列と聞いて、多くの人は「QWERTY」の順にキーが並ぶ「QWERTY配列」を思い浮かべるのではないだろうか。日常的に用いられているキーボードの大半がこのQWERTY配列で、その中に日本語キーボードといわれる「JIS配列」や英語キーボードの「ASCII配列」などがある。

国によって配列(配置)に細かな違いはあるものの、基本的にはQWERTYベースだ(画像はWikipediaより)

 世界中で使われているQWERTYベースのキー配列だが、「QWERTYは本当に文字を入力する上で最適な配列なのか?」という点について疑問に思うユーザーも世界中にいる。このため、QWERTYより入力に適した配列を求めて、キーの物理的な位置は変えないまま、キーに対応する文字や記号を変えた配列がいくつか考案されている。

 有名な例としては英文入力に特化した「Dvorak配列」がある他、最近では「Mint60」などの自作キーボードの設計者でもあるゆかり氏によって2017年に考案された、ローマ字入力特化の「Eucalyn配列」などが一部のキーボードファンに受け入れられている。

こちらは「Dvorak配列」と呼ばれる配列の一例。QWERTYに比べて特に英文入力で運指が効率的とされている(画像はWikipediaより)
自作キーボード作者のゆかり氏(@eucalyn_)によって考案されたEucalyn配列。ローマ字入力で日本語を入力することを前提として最適化された配置になっている

行ごとに少しずれたキーの配置は最適か?

 キー配列だけであれば、キーに対応する入力を変更するアプリなどを使えば変更はできる。しかし、運指の効率を求めていくと、キーの物理的な配置の調整も視野に入ってくる。

自作キーボードにみられるキーの物理的な配置(物理配列)の例

 一般的なキーボードは、行ごとに少し横にずらした配置をしているが、一から考え直すなら碁盤の目のように格子状に並べる配置や、指の長さに応じて縦にずらす配置も考えられる。Enterキーやスペースバーなどの大きなキーについても再考の余地はある。

 だが、物理的な配置の変更や調整となると、キーボードの基板に手を入れるしかない。一部のキーボードファンが「自作キーボード」を作るのは、自分自身に最適化したキーボードを作りたいという欲求があるからだ。

 とはいえ、使ってみたいキー配列や配置ごとに基板から作っていては工数・コストともにばかにならない。誰もが簡単に配列・配置を試せる方法はないものか──そんな、ある意味“夢”のような欲求をかなえるキーボードが、今回レビューする深セン超酷科技の「DUMANG DK」シリーズだ。

“最強”のカスタマイズ性をほこる「DUMANG DK」シリーズ

一見するとただの板?

 この“一見するとただの板”が、「DUMANG DK6 Mini」だ。これはキースイッチのユニットを載せるプレートで、マグネットでユニットを固定できるようになっている。ユニットには独Cherryのキースイッチ「Cherry MX」シリーズや、Cherry MX互換のキースイッチを差し込んで利用できる。

キースイッチユニットCherry MX互換スイッチを搭載可能で、1.25U(通常の1U=約18mmより少し横幅が広い)タイプもある。固定用のマグネットは強力で、強めに打鍵してもずれたりすることはない。5ピンタイプのCherry MX互換スイッチを使う場合は余分なピンをニッパーで切断する必要がある キースイッチユニット(左)。ユニットからキースイッチを外した図(右)。Cherry MX互換スイッチを搭載可能で、1.25U(通常の1U=約18mmより少し横幅が広い)タイプもある。固定用のマグネットは強力で、強めに打鍵してもずれたりすることはない。5ピンタイプのCherry MX互換スイッチを使う場合は余分なピンをニッパーで切断する必要がある

 ユニットの一つ一つに「MCU」(Micro Control Unit)と呼ばれるマイクロプロセッサが搭載されており、一つ一つのユニットに任意のキーを割り当てられる。プレートとユニット側の端子に工夫があり、プレート上のどこに置いてもユニットとプレートがうまく通信し、キー入力を行えるようになっている。DUMANG DKシリーズは、プレートの大きさ以外はほぼ無限といってもいい配列や配置の組み合わせを試せるキーボードなのだ。

足の長さで傾きを調整できる。接続端子はUSB Type-C

 また、本機のカスタマイズは単なるキーマッピングだけではなく、特定のキーを押している際に全体のキーマップを変更する機能(レイヤー機能)や、事前に決めた一連のキー入力を行う機能(マクロ機能)も搭載している。

キーの設定やレイヤーの設定は「DUMANG App」(Windowsアプリ)から行える。ここでは左下に配置したFnキーが押されている間はレイヤーが1に切り替わり、レイヤー1ではWASDキーに対してカーソルキーが入力されるよう設定した

“理想だけ”じゃない実用性 自作キーボードの入門にもうってつけ

 ここからはしばらくDUMANG DK6 miniを使ってみての感想になる。今回使用したモデルではキースイッチに中国Kailh Electronicsの“青軸”(カチカチと音が鳴るスイッチ)、キーキャップにはバックライト対応のPBT材質のキーキャップが搭載されている。

一般的なQWERTY配列に似せてキーを配置してみた。キー情報はユニットに保存されているので、好きな場所につけ直しても事前に設定した通りのキーのままだ
今回紹介したDK6 Miniの他に、シリーズにはプレートの形状が異なる「DK6 Ergo」も。親指での入力に特化したレイアウトを組める(写真提供:びあっこ

 正直、当初はマグネット固定のために認識不良やぐらつきなどがあるのではないかと思っていた。しかし実際にタイピングしてみると全くの杞憂だったようで、認識不良は一切なく、ぐらつきも体感できるほどには発生しなかった。

 気になった点を挙げるとすれば、キーを押してからPCに入力が反映されるまでの時間にごくわずかながらもラグがあるように感じた。入力速度の求められるゲームなどをする場合には問題になるかもしれないが、通常使用する上では全く問題はないといっていい。もう一つは設定アプリの「DUMANG App」が英語表示オンリーで、少々使いづらいUIであることだ。多彩な機能を備えたDUMANG DKシリーズだが、マクロやレイヤー機能を使いこなすのには慣れが必要そうだ。

 DUMANG DKシリーズはレイアウト、キースイッチ、キーキャップ、どれをとっても自由度が非常に高く、それでいて実用性も高い。通常のキーボードに比べれば少々値段は張るが、自作キーボードに興味がありつつもハードルの高さから手を出せなかった人などに有力な選択肢となるのではないだろうか。

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