インド北東部のコルカタから北部バラナシまで列車で移動する。チェンナイからコルカタまではエアコンのないGNクラスという最下層の列車で30時間の移動だった。
そのときに得た教訓をもとに、今回はエアコン付きの寝台を予約したのだが、これが快適だった。車内で小説を1冊読み終えてしまったのでそれなりに長い時間乗っていたはずなのだが、快適なので時間も気にならない。料金もそこまで上がることはないので体をいたわる気があるのなら、インドの列車移動はエアコン付きの寝台1択だろう。
バラナシの駅に着いたのは深夜だった。翌朝の便を待っているのか、地面に布を敷いて寝ている人たちがたくさんいる。ただ、到着した人たちにその必要はない。すでに「タクシー、タクシー」と客引きがまとわりついているからだ。そのうちの1人を捕まえて、ガンジス川沿いにある中心部に移動することにした。
バラナシはヒンドゥー教だけではなく、仏教の聖地でもある。多くの巡礼者が集まる神聖な宗教都市であるわけだが、タクシーの運転手は下品な男だった。私がスケベなことを考えている顔をしていたからかもしれないが、いきなり女の話だ。
「なあ、ジキジキどうだ? 俺ならいくつも知っているから連れて行ってやる。ウヘヘ…」
「ジキジキ」とは性行為を指す言葉である。主に南アジアで使われている言葉だが、東南アジアだと「ブンブン」になる。どちらにしても聞くたびに幻滅する下品な響きだ。ストレートに「セックス」と言ってくれた方が、客もその気になるんじゃないかと毎回思う。
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