ダ・ヴィンチの「〈岩窟の聖母〉の天使のための習作」を例に、「人の顔」が上手に描ける驚きの技を紹介します(写真:NORi/PIXTA)
世界で50万部突破の超話題のベストセラー『たった30日で「プロ級の絵」が楽しみながら描けるようになる本』がついに日本でも翻訳出版され、発売たちまち大増刷するなど話題を呼んでいる。
著者は「世界で最も有名な絵画講師のひとり」マーク・キスラー氏。大人気番組『マーク・キスラーのイマジネーション・ステーション』の司会を長年務め、アメリカで最も権威ある文化賞のひとつ「エミー賞」も受賞している。
本作に先駆けて翻訳された『誰でも30分で絵が描けるようになる本』も日本で5万部のベストセラーになっているが、何百万人の「絵の描き方」を劇的に変え、みるみる上達させてきた「キスラー式メソッド」とは、いったいどんなものか。
『たった30日で「プロ級の絵」が楽しみながら描けるようになる本』の内容を再編集しながら、「苦手な人も多い『人の顔』が突然上手に描ける!巨匠も学んだ驚きの凄技」を紹介する。
「模写」はズルい?思い込みを捨てる「キスラー式」
私は30年間、「絵の描き方」を教えつづけてきましたが、ときどき批判されることがあります。
いちばん手厳しい批判は「あなたは自分の絵をコピーするように教えている! それのどこにオリジナリティがあるの? その絵のどこに創造性があるの?」と言われることです。
でも、ちょっと考えてみてください。
レオナルド・ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、レンブラントといった巨匠も、すばらしい芸術家になる前、何年もかけて教師の作品を研究し、模写し、トレースして絵の描き方を身につけたのです。
私が言いたいのは、過去の人たちがたどり着いた「素晴らしいお手本」があるのに、なぜそれを模倣して学ぼうとしないのかということです。
私のレッスンを受けた生徒たちが皆、驚くほど絵が上達したのは、トレースや模写がズルいという思い込みを捨てたからです。そうでなければ、うまく描けない不満から、絵を描くことをやめてしまったでしょう。
それでは、私の考案した「巨匠の作品をトレースしながら、人の顔を上手に描く5つのコツ」を紹介しましょう。
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