エルサ・メイシュマン、BBCニュース
国連総会は14日、ウクライナ侵攻に関して、ロシアに賠償金の支払いなどを求める決議案を採択した。ロシアは強く反発している。
決議案は国連加盟の193カ国のうち94カ国が賛成した。ロシア、中国、イランなど14カ国は反対票を投じ、残りの国は棄権した。10月にウクライナの一部の違法併合を非難する決議案が投票にかけられた際には、143カ国が賛成していた。
決議はロシアに対して、「国際的に誤った行為によるすべての法的責任を負わなければならない」とし、あらゆる負傷や損害に対する賠償が含まれるとしている。
また、加盟国に対し、ウクライナと協力して、ロシアの行為に関する証拠や訴えを記録する国際的な仕組みをつくるよう勧告している。
国連決議には象徴的な重みはあるが、関係国に従うよう強いる効力はない。
ロシアは決議を非難
ロシアは決議について、西側諸国が国際準備を差し押さえ、賠償金の支払いに充てるのを阻止するものだとしている。
ドミトリー・ペスコフ大統領報道官は、西側が「強盗を正式化」しようとしていると非難。私有財産に関する規則と国際法に違反しているとした。
ワシリー・ネベンジャ国連大使は、今回の決議を「法的には無効だ」とし、西側が「紛争を長引かせ、悪化させようとしている」と批判した。
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ウクライナは歓迎
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、この決議を歓迎。ロシアによる賠償金の支払いは、今や「国際的な法的現実の一部」になっていると述べた。
決議案の投票に先立ち、ウクライナのセルヒー・キスリツァ国連大使は総会で、ロシアが工場から住宅、病院まで、あらゆるものを標的にしてきたと述べた。
キスリツァ氏はまた、インフラの再建には資金が必要だとし、復興は「ロシアによる戦争の犠牲者に対する正義感なしには決して終わらない」と主張。「今こそロシアの責任を問う時だ」と付け加えた。
過去の賠償例
紛争後に関係国が賠償金の支払いを命じられた例は過去にもある。
最も有名なものとして、第1次世界大戦後にドイツが連合国から2690億マルクの支払いを命じられたケースがある。現在の貨幣価値では約42兆円に上る。
高額な賠償金には、ドイツが何年にもわたって戦争をできないようにする意図があった。
しかし、それは逆効果に終わった。多くの歴史家は、この重い賠償金と「有罪」のレッテルが、第2次世界大戦につながったドイツの怒りの主因だったと主張している。
第2次大戦後、ドイツと他の枢軸国は賠償金の支払いを余儀なくされた。ただ、ドイツに対する処罰より、ヨーロッパの破壊されたインフラの再建に重点が置かれた。
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