感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!
「当たり前」は本当に当たり前?
きょうのひとことは、
「当たり前ですよ、という態度にはご用心」
「それ、常識ですよね」「当たり前ですよ」なんていい方をする人はいませんか?
「当たり前」「当然」「常識」といったキーワードを使って、あたかも自分の考えが世間の常識であるかのようないい方をする人です。
これは、いわば言葉のトラップ(罠)のようなもの。
同調圧力が強めの社会的背景もあって、「みんなやってますよ」「ふつうですよ」「当たり前ですよ」みたいにいわれると、「そうなのか、じゃあ自分も」と流されやすいんですね。
世界各国の国民性を表す、こんなジョークがあります。
世界各国のお客さんが乗る豪華客船にトラブルが発生し、いまにも沈没しそうな状況となりました。
脱出ボートの数には限りがあるため、船長は乗客たちに海へ飛び込むように指示しなければならなくなりました。
そこで船長は、それぞれの乗客にこういったというのです。
アメリカ人には、「いま飛び込めばヒーローですよ」
イギリス人には、「こういうときに飛び込むのが紳士ですよ」
ドイツ人には、「規則ですから飛び込んでください」
イタリア人には、「飛び込めば女性にもてますよ」
フランス人には、「けっして飛び込まないでください」
日本人には、「みんな飛び込んでますよ!」
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」というビートたけしさんの有名なジョークも、同じように日本の国民性をよく表しているといわれます。
こんなふうに私たちはなんとなく同調しやすいわけですが、そこにつけ込むがごとく、「当たり前ですよ」「それ普通ですよ」みたいなことを吹き込むことで、相手を従わせようとする人もいるわけです。
特に自分が知らないことに関しては、それが当たり前のことなのかどうかわからないので、「普通でしょ」「当たり前ですよ」なんていわれると動揺してしまい、とりあえず従っておこうということになりがちです。
その心理を手玉にとって、相手を自分の意のままに動かそうとする人がいるのです。
ふつうに物事をお願いするというよりも、「え? ほかの人はやってますけど、あなたはやらないんですか」という空気感を出されてしまうと、「やらない自分がおかしいのかも」という心理が働きがちです。
そういう雰囲気を出してくる人がいたら、騙されないように、ちょっと疑ってかかるくらいがいいかもしれません。
「本当に当たり前なのか?」「本当に普通なのか?」と自分自身に問いかけてみることが大事です。
すぐにわからないことであれば、自分で調べたり、ほかの人に意見を聞いてみたりするといいでしょう。
策略家のような人も、自分のいうことを疑い、動じない態度を見せられれば、そうしたいい方であなたを従わせることを諦めるはずです。
きょうのひとことは、
「当たり前ですよ、という態度にはご用心」
でした。
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