子どもたちの"忖度なし"の鋭い質問に池上彰はどう答える? 8月27日(金)夜8時からは「池上彰vs天才キッズ~忖度なしの疑問に答えます」を放送! さまざまな得意分野を持つ"天才キッズ"たちが、いろいろなニュースについて、池上彰に"忖度なし"の鋭い質問・疑問をぶつけます。
さらに池上彰もそれに応えようと、体を張ったさまざまな取材を敢行。キッズならではの視点で大人もいろいろ気づかされ、学べる番組です。
「テレ東プラス」は、収録を終えた池上彰を直撃。番組の見どころはもちろん、自身の子ども時代から親世代の悩みに至るまで...忖度なしでお答えいただきました!
池上さんが、夏休みの自由研究で大失敗!?
――まずは収録の感想からお聞かせください。
「NHK時代に『週刊こどもニュース』を11年間やっていたので、子どもの質問に対して驚きなどはありませんでしたが、やはり楽しかったですね。"子どもは確かにそういう疑問を持つよね"と改めて認識させられましたし、大人が上手く説明できないことを聞いてくるので面白いです。番組を観ることで改めてニュースを理解できると思いますし、親御さんは"もし子どもから質問されたときはこう答えればいい"というヒントにもなるのではないでしょうか。子どもの疑問に答えることはもちろん、大人の気づき、子どもから質問されたときの答え、という3つの目的がある番組になっています」
――ありがとうございます。ここからは、池上さんご自身の子ども時代に迫っていきたいと思います。池上さんは、どんなお子様でしたか?
「あまりよく覚えていませんが、とにかく本が好きでした。当時はテレビも子ども向けの番組は夕方1時間くらいしかありませんでしたし、今のようなゲームもなかったので、娯楽がなかったんですよね。太陽が出ているうちは外で遊び、日が暮れてからは本を読むくらいしかなかった。夕飯時になってもずっと本を読んでいたので、母親からは『いい加減にしなさい』とよく怒られました(笑)。特に小説や実際の冒険談、図鑑のようなものが好きでした。文字が好きな子どもでした」
――外で泥だらけになって遊ぶようなこともあったのでしょうか。
「もちろんですよ。空き地にみんなで集まって、缶けりや鬼ごっこ、三角ベース野球などで遊びました。地域で遊ぶため年齢もさまざまで、小学校に上がる前の小さな子も一緒になって遊んでいましたよね。小さい子は捕まえても鬼にしない、いわゆる"みそっかす"として扱ったりしていました。でもそうやって異年齢の子どもたちが集まって遊ぶことで、自然と人間関係の作り方を学んでいたのかもしれません」
――池上さんがおっしゃる通り、地域での遊びも"ひとつの小さな社会"でした。
「昔はそれが当たり前でしたが、今は異年齢で遊ぶことが少なくなっているように感じます。その結果、さまざまな組織の中でまとめていく能力が失われているような気も...。昔はさまざまな家庭の子どもたちが普通に交流し、それが社会の縮図のようでした。私自身、そういうところで遊んだ経験が今に活かされているような気がします」
――池上さんは子どもの頃、新聞記者になりたかったそうですね。昔から疑問に思ったことを調べたりするのが好きなタイプだったのでしょうか。
「そうですね。小学生の頃、新聞記者の仕事について書かれた本を読んでからはずっと、新聞記者になりたいと思っていました。図書館に行って図鑑で調べたりするのはよくやっていましたし、みんなが知らないことをいち早く知って"こういう話だよ"と伝える...いわゆる教えたがりだったんですよ」
――もしも今の時代に生まれていても、ジャーナリストになっていたと思いますか?
「思います。ただし、それが活字なのかテレビなのか、ネットや動画なのかは分かりません。私たちの時代と比べて、今は職業もかなり増えていますから」
――夏休みの自由研究は、どんなことをされていたのでしょう。
「ものすごくよく覚えているのは、一度、大失敗をしたことがあるんです。何も思いつかず、8月末に大慌てで日本列島の版画を作ったんですけど、彫刻刀で彫って、さぁ完成! と刷ってみたら、まさかの反転(笑)。版画は反転したものを彫らなければならないのに、日本列島そのものを彫ってしまったのです。あーバカでしょ(笑)。実際に刷るまで気づかなかったんですね。でも、それを直す時間もなく、恐る恐る提出してみたら、いい点をもらいました(笑)」
――生徒の努力をしっかりと評価してくださった先生もステキですね!
池上さんの子どもの頃と現在とではかなり環境が変わってしまいましたが、今の子どもたちに大切なのはどんなことだと思いますか?
「今だからこそ、本を読んで欲しいです。なかなか外に出られないのでゲームをするのもいいですが、もっと活字に親しんで欲しいですね。とはいっても、親が勧めれば子どもは反発しますから、面白さを伝えるのはなかなか難しい。実際に私も、親から本を買い与えられると、『読むものか』とよく反発していました(笑)。
例えば、親御さんも本を読んでこれ見よがしに笑ったり"面白い"とつぶやいたり、その本について語って子どもにさりげなく見せつける。"なんかこの本、面白そう"と思わせることに成功すれば、きっと読んでくれると思います」
――SNSやゲームなど、今の子どもたちには魅力的に映るコンテンツがたくさんあります。親はどう対応していけばいいのでしょう。
「家庭でルールを決めることが大切ですよね。例えばゲームだったら、1日30分と決める。それで足りないと思うなら、今日の分を明日に回して1時間遊ぶ、1週間貯めて日曜日にまとめて遊ぶとか、ルールは子どもたちに委ねてもいいと思います。どうやってその時間をやりくりするのか、お小遣いに近い感覚ですね。
SNSも、例えば夜8時まででそれ以降は電源を切る、匿名で書き込むことができるけど、もし自分だと分かっても恥ずかしくない文章かどうかを考えなさいと伝えるなど、ご家庭内でいろいろルールを作っていくことが必要だと思います。そしてルールは、子どもの成長に合わせて、変えていけばいいのではないでしょうか」
――年々世界の常識が変わってきていますが、10年後、今の子どもたちが大人になった頃、日本はどうなっていると思いますか?
「間違いなく、少子高齢化は急激に進みます。ただしばらくすると、高齢者も亡くなり、減るはずなので、そうなると全く違う世界が見えてくると思います。今は高齢化対策を一生懸命やらなければなりませんが、いずれは高齢者を支えることが今ほど重荷でなくなる時代がやってきます。その時までにどんな社会を作っておくのか...。子どもたちは、しっかりと世界に目を向け、見る目を養っておくことが大事だと思います。それを親が伝えてあげればいいのですが、"ニュースを見なさい"と言ったところで子どもたちはついてこないので...。家族団らんの時にさりげなく会話をする、感想をつぶやくなどでいいかと思います。今回の番組のように、子どもたちとニュースがもっと親しくなるといいですね」
(取材・文/玉置晴子)
8月27日(金)夜8時からは「池上彰vs天才キッズ~忖度なしの疑問に答えます」を放送!
<番組内容>
・「自衛隊は軍隊じゃないの?」
太平洋戦争の敗戦がきっかけで、憲法第9条には「戦争の放棄」「戦力の不保持」が盛り込まれた。憲法上、自衛隊は戦力ではない。では自衛隊とは何なのか?それを知るため、池上彰が、なかなか入ることのできない自衛隊の現場を取材した。
・「最近大雨が怖いけど、きちんと対策はしているの?」
東京を含む首都圏は異常気象にどう備えているのか。池上彰は「国内最大級」という、ある水害対策施設を取材。そこで、階段を 20 階分昇り降りするという大変な目に遭ったというが...。
・「想定外の大雨が来たらどうするんですか?」
今月中旬、九州・中国地方を中心に大雨を降らせた「線状降水帯」。激しい雨を降らせる積乱雲が次々と発生し、帯状に連なるのが「線状降水帯」だ。2018年7月の西日本豪雨では、岡山県倉敷市真備町で 51 人が犠牲になった。しかし、そこに隣接する下原地区では、犠牲者はゼロだった。何が明暗を分けたのか。再現ドラマでその謎を解く。
・「何で悪いことをする政治家がいるの?」
収賄、買収、議員特権の濫用、モラルに反する行為...。政治家をめぐる問題が続いている。河井克行・案里夫妻の選挙買収事件を、裁判記録をもとにドラマで再現。
【出演】
MC:池上彰
サブMC:小峠英二(バイきんぐ)
ゲスト:河合郁人(A.B.C-Z)、林家彦いち、山口もえ、山之内すず
キッズ:栗原響大(小6/「TVチャンピオン極 日本の名城マニア決定戦!」3位)
布施麻理亜(小6/ロシア語・英語が得意)
松下淳一郎(小5/国際知識スーパーマスター)
どうぞお楽しみに!
からの記事と詳細 ( 池上彰に聞く「10年後の日本はどうなっている?」子どもたちにとって大切なことをアドバイス - テレビ東京 )
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確かに
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