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Wednesday, May 5, 2021

「掘れば出る」世界遺産候補なのに知られず ごみ投棄被害も 北海道・千歳 - 産経ニュース

縄文遺跡「キウス周堤墓群」への入り口。パンフレットが置かれているが、展示や解説施設はない=4月、北海道千歳市(寺田理恵撮影)
縄文遺跡「キウス周堤墓群」への入り口。パンフレットが置かれているが、展示や解説施設はない=4月、北海道千歳市(寺田理恵撮影)
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 国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産登録の事前審査結果の公表を目前に控えた「北海道・北東北の縄文遺跡群」。関係者の期待が高まる一方、縄文文化への世間の関心はいま一つ。構成する17遺跡には有名な「三内丸山遺跡」(青森市)もあるが、多くは知られておらず、縄文最大級の墓「キウス周堤墓群」(北海道千歳市)ではごみを捨てにくる人がいるという。世界に誇る文化遺産の縄文遺跡はなぜマイナーなのか。(寺田理恵)

縄文最大級の墓だが

 キウス周堤墓群は約3200年前、エジプトのツタンカーメン王の時代と同じ頃に造られた。ドーナツ状の土手の内側に複数の墓穴がある共同墓地9基が群集し、外径最大84メートルと地表面から分かる縄文時代の墓では最大級の規模を誇る。

 しかし、付近を通る道路からは普通の林にしか見えない。広大な農地に囲まれ、案内標識もなければ公共交通手段もない。普段は静まり返っているキウス周堤墓群で4月25日、約30人がボランティアガイドの予行演習を兼ねてごみ拾いを行った。

 「講演会などの周知活動を続けているが、地元でも知らない人が多い。ごみを捨てていく人がいるので、清掃活動もしている」。主催した民間団体「キウス周堤墓群を守り活かす会」の大江晃己(こうき)会長(80)は話す。

 多くの縄文遺跡が発掘調査後に埋め戻される中、縄文時代の景観が地表で見られる貴重な遺跡だ。それにもかかわらず、埋め捨てられたワインの瓶60本が清掃活動で見つかったこともあるという。

「教わる機会ない」

 周堤墓群は新千歳空港に近く、5月にも出される事前審査結果で登録が確実になれば、見学者の増加が見込まれる。このため、5月中旬からプレハブの解説施設を設け、ボランティアガイドが常駐する計画だ。

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