[ベルリン 19日 ロイター] - ドイツの環境政党「緑の党」のアンナレーナ・ベーアボック共同党首(40)は19日、9月の連邦議会選挙(総選挙)で首相候補として出馬すると表明した。40年前に緑の党が発足して以来、初めて同党が首相ポストを狙う機会となる。
緑の党の支持率はここ1年間で上向いている。ベーアボック氏は、自身が首相となった際にドイツが「新たなスタート」を切ると約束。教育とデジタル技術、環境技術への投資に注力すると述べた。
メルケル首相の保守党への不満が募る中、緑の党の存在感は増しているものの、アナリストは緑の党が圧勝する見込みは低いと言う。ドイツ政権を16年間担ってきたキリスト教民主同盟(CDU)と、キリスト教社会同盟(CSU)の連立政権は内部で対立している兆しがあるが、支持率は依然として緑の党を約5ポイント上回っている。
ベーアボック氏は自信の経験不足が不安視されていることについて「民主主義は変化で成り立っている。確かに首相や大臣になったことはないが、私は再生を支持する。ほかは現状維持派だ」と語り、不安を和らげようとした。
ロベルト・ハベック共同党首が19日、ベーアボック氏を首相候補にすると正式に発表した。対する保守党内ではCDUのラシェット党首とCSUのゼーダー党首が依然として次期首相候補の立場を巡り争うなど、対照的となっている。
緑の党は中道左派のドイツ社会民主党(SPD)や自由民主党(FDP)と連立政権を組む可能性もある。調査機関フォルサによるとSPDの支持率は15%、FDPは9%。SPDや極左の左派党(リンケ)との連立もあり得る。ただ現在の支持率を踏まえると、緑の党はメルケル氏率いる保守連合と組む可能性の方が高い。
SPDの次期首相候補であるショルツ財務相はベーアボック氏の選出を祝福。ツイッターで「楽しく公平な競争を期待している」と述べた。
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