クイズプレイヤーの伊沢拓司が、日本テレビ系『第41回全国高等学校クイズ選手権(高校生クイズ)』にスペシャルパーソナリティーとして参加することが決まった。
東京・開成高校時代、2010&2011年大会を連覇し、史上初の個人連覇を達成した伊沢。高校時代の思い出から、自身が考える今大会の対策法まで、全国の高校生に向けて熱い思いを語った。
――スペシャルパーソナリティ―就任のお気持ちは?
最初に思ったのは「帰って来たな」と。僕にとって、クイズでしっかりとテレビに出たのは高校生クイズが初めてでしたし、ここで勝つために高校時代を捧げてきたので、そういう意味では自分が青春を注いだものに後輩たちを応援させてもらえる立場で戻れたというのは、この上ない幸せですね。本当にありがたい限りですし、自分が卒業してからも応援しながらずっと大会を見続けてきました。でも、私的に楽しんでいたので、自分が楽しんでいるところを目の前でみんなに見られるという恥ずかしさはちょっとありますね。クイズマニアとしての恥ずかしさというか、結構熱中してしまうタイプなので、「気を引き締めてやるぞ」という気持ちになっています。
――2010、11大会を開成高校でチームとして個人として連覇しましたが、伊沢さんにとっての高校生クイズの思い出とは?
中学3年生ぐらいから自分にとっての高校生クイズは始まっていて、対策をして、仲間を集めて、大会に出て、優勝してということだったので、本当にいろんな思い出がありますね。努力も思い出ですし、やっぱりそこに集まった人たちの交流もすごく覚えていて、ホテルでみんなでワチャワチャと廊下で早押しクイズやったりとか、怒られるけど(笑)。あとはそれこそ宿で浦和高校と次のラウンドを予想する会議したなぁとか、みんなでお弁当を食べて、だんだんと上のラウンドに行くに従ってお弁当がいいお弁当になっていったり、携帯でお弁当の値段を調べて、「あれはなかなか食べられるものじゃないぞ」みたいなこと考えたりとか、本郷のラーメン屋で他校のメンバーと長居したり……思い出は尽きないですね。今は仕事を一緒にしているメンバーにもその時出会ったメンバーが複数人いるので本当に自分にとって高校生クイズは原点ですね。思い出深い。それ以降も「個人で連覇の人が出ないかな?」ってハラハラしながら見ていましたし(笑)、傾向の変遷を予想して、優勝校も予想して……みたいにずっと楽しんでましたね。毎年夏はソワソワしながらテレビの前にいました。10年ぶりといいつつ意外とそんな感じがしないのは、やっぱり毎年気にしてたからかもですね。
――高校生クイズも時代とともに変わってきましたが、どのようにご覧になってきましたか?
僕は変遷を予想するのが好きなので、WEBライターを精力的にやっていたころは自分の連載で高校生クイズの傾向を予想したりして、「当たった!とか、ここ外した!」とかしていました。僕が出た頃とはもちろん傾向が違うわけですけど、クイズという一つのテーマを様々なアプローチで追求しているなと。時代によって高校生に求められる力って違うと思うしみんなが見て面白いと思うものも変わっていくと思うので、変遷を楽しませていただいてますね。それこそ2010年代中盤とかはウルトラクイズの系譜を継いでマラソンクイズやってましたからね。ウルトラから20年経って、あの「すべてを投げ捨ててクイズしに来た」感を高校生でリバイバルできるのって、2010年ごろのガチンコ時代の「クイズこそ我が人生」的な高校生のイメージがやる側にも見る側にも継承されているからだと思うんです。 歴史の積み重ねがあってこその形式だな、みたいな楽しみ方をしてました。過去があるから今がある。
――大声クイズなど、いろいろなクイズもありましたね?
勝つために羞恥心を捨てていくみたいなところは面白いですね。僕の時代もやっぱり解答を大声で叫んで気持ちが乗ったり、みんな本当にテレビカメラの前にもかかわらず涙を平気で流したり。形式は変われどひと夏に賭けた感情が発露する瞬間とか、ベースとなる思いは不変ですよね。その舞台に携われることが幸せです。必死さがあってこそ、クイズというエンターテインメントは成立しますしね。
――変遷を予想するのが楽しみということですが、今年の「ソウゾウして未来を切り拓け」というテーマでは、どういう風にみていますか?
ソウゾウ脳というのをどう解釈していくのかというのは、今までと違って関わらせて頂く自分のほうにも関係してくる、やらなきゃいけない咀嚼作業なので今現在も悩んでいますけど、個人的にはソウゾウというのはゼロから1を作る力ではなくて、0.1をいっぱい集めて新しい1を作る力だと思うので、むやみやたらと考えるのではなくて今までの人生の高校生たちが積んできた16年ないし18年の人生の中の、それこそ知識や経験といったあらゆるパーツをかき集めて新しいものを作り上げてくれるようなところに期待したいなと思います。なので、すごい能力を持っているとか突飛なことを考える人達が活躍できるような天才発掘という形でなくて、自分が得てきた経験をどう整理し、どう回収し、いいものを作るかというところが大事になってくるのかなと思うので、それぞれの良さが出るような形の高校生クイズになるといいのかなと。全員が違う人生経験を持っているから、それぞれの人生経験を生かした戦いになっていけばいいなと思いますし、そもそも僕が出ていたころと本質は変わらないですからね。みんなが今まで得た知識を、本番を想像した上で対策することで武器に変えてぶつけ合うわけで。それぞれ異なる知がぶつかる真剣勝負でこそ、個性が輝くと思います。
――今大会対策をするなら、どのようにお考えになりますか?
いきなり何かを作るわけではないので基本的には学習だと思います。知見を増やす。知識を増やす。やっぱり知識というのは今まで過去の人たちが積み重ねてきたソウゾウを形にしたものですから、過去の人に学んでいろいろな基礎的な知識を入れておくのはまず大事になってくると思います。その上で、より大事になってくるのはそれで終わらないということ。知識も大事だし、それを深堀りして自分の中の「なぜ」を解決する経験も大事です。知識の運用面まで含めたソウゾウ力でこそ「新時代の知のガチンコ勝負」になると思うので、これから知ることをひとつも捨てない、全部本番に持っていく心構えが対策になると思います。
――ソウゾウするということは、伊沢さん自身は得意ですか?
そうですね。僕の高校生クイズ対策はまさに「ソウゾウ」でした。知って終わり、教科書やクイズの問題集を10冊とってきて頭からお尻まで覚えますじゃなくて、Aという知識があったときに「この知識は高校生クイズならどう出るのかな」というのを想像していたわけです。「このラウンドではこうやって出るんじゃないか?」とか、「去年はこんな問題Aが出たから、今年は派生知識のA’が出るんじゃないかな?」とかその知識の特性を見極めた上で実際の本番に生かすための想像をしました。ただの知識じゃなくてそれを膨らませて出題形式まで予想して対策をしていったのが自分の勝った要因だと思うので、そういう意味では知って終わりではないというところは昔にも通じるものがあると思います。一歩先を想像して、まだ見ぬ問題を創造していたわけですからね。そういう癖をつけることが今も昔も対策として重要ですね。
――もう一度大会に出場するのはどうですか?
勝ちますけどね!それはもう、自信満々に勝ちます!負けてられないです。優勝時のメンバー再集結で勝ちたいです(笑)
――最後に今年の大会に参加しようと考えている高校生のみなさんにメッセージを御願いします。
優勝したメンバーで取材を受けることも多くて、「どうやってチーム組んだらいいですか?」って毎回聞かれました。3年間で計4人とチームを組んだのですが、僕含め5人が口を揃えて言うことには「やっぱり一緒に出て楽しい仲間と出たほうがいいよ」ということですね!高校生クイズは、ひと夏のとても素晴らしい思い出ですし、予選に出るだけでも長く記憶に残るんですね。僕もクイズプレーヤーとしていろんな人に会っていると「僕も高校生クイズに出たんですよ」って言われることがすごく多くて、みんな自分なりの思い出を持ってるわけです。だからぜひ、楽しく過ごせるメンバーで出てもらって、まずは全力でエンジョイして頂くというのがいいのかなと思います。今のうちから楽しむ想像をして頂いて高校生クイズをエンジョイできれば、10年20年と高校生クイズの思い出話で盛り上がれると思うので、まずは楽しむ心づもりだけもって大会に参加することが大事かなと思いますね。
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今年のエントリーは、きょう10日スタート。7月18日に「全国どこでもスマホ一斉予選」が開催され、全国大会は8月9日に1回戦(リモート)、8月14日・15日に2回戦~決勝戦が行われる。
放送日は調整中で、新型コロナウイルスの感染状況によっては、日本テレビで総合的に判断し、大会内容を変更する場合があるとしている。
からの記事と詳細 ( 伊沢拓司『高校生クイズ』に参加 大会連覇のレジェンド「帰ってきたなという感じ」 - マイナビニュース )
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