米金融市場全般に痛みが広がって連邦準備制度が行動を起こすようになるまで、これからも米国債利回りを押し上げ続ける。21兆ドル(2270兆円)規模の米国債市場のトレーダーはこのようなシグナルを明確に発している。
アジア時間5日の金融市場では、米10年債利回りが前日に続いて上昇し、先週付けた1年ぶりの高水準1.61%に向かい、株価を圧迫した。連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が、最近の長期金利上昇について踏み込んだ発言をしなかったことが響いた。パウエル議長は4日のイベントで、金融当局として目標を達成するまでの長い道のりに焦点を絞っていると強調した。
パウエル議長の発言前の時点であっても、世界的な指標である10年債利回りは2%に達する方向にあるとストラテジストの一部が予想していた。先週記録した水準をわずか40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)程度上回る数値だ。
利回りが再び上昇基調にあることから、住宅ローン担保証券(MBS)に絡んだヘッジの動きが広がり、2%に近づくのは遠い先のことではないかもしれない。
ゴールドマン・サックス・グループは4日、年末時点の10年債利回り見通しを1.90%と、従来の1.50%から上方修正した。
国債売りが売りを呼ぶコンベクシティヘッジの影、市場は戦々恐々
次に材料となりそうなのは5日に発表される2月の米雇用統計だ。経済成長とインフレを巡る見通しの改善を受けて、トレーダーが織り込む米利上げ時期の予想は前倒しされ、利回りは今年に入って既に0.5ポイント余り上昇している。
16、17両日の連邦公開市場委員会(FOMC)を前に、金融当局者が公の発言を控えるブラックアウト期間に間もなく入るため、パウエル議長がもっと強力に利回り上昇に歯止めをかけようとするのではないかと、ストラテジストの多くは予想していた。
だが、そのような言動がなかったことから、金融当局が痛みを感じるポイントはどこなのか、市場参加者は見当がつかないままの状態で取り残された。
クレディ・スイスのストラテジスト、ジョナサン・コーン氏は「この環境では、利回りがさらに高い水準を試す可能性は確かにある。金融市場全般を考える上での手っ取り早い目安として、金融当局がどこまで株価下落を容認するつもりであるかが重要な問題だ」と指摘した。
原題: Bond Traders Drive Up Yields After Lack of Powell Pushback (1)(抜粋)
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確かに
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