恋と仕事とファッションと。公開当時から現在に至るまで、働く女性たちを魅了し続ける作品『プラダを着た悪魔』には“ある種”の恋愛関係があった!? できる上司とそれに食らいつく部下のガチンコ勝負の戦いから見えるものとは?
『プラダを着た悪魔』
━━働く女性のバイブルとしても名高い『プラダを着た悪魔』(2006年)です。 ジェーン・スー(以下、スー):名作でしたね。ストーリーはもちろん、『セックス・アンド・ザ・シティ』で世界にその名が知られたスタイリスト、パトリシア・フィールドのスタイリングがどれも飛び抜けてかわいいし、曲も最高だし! 高橋芳朗(以下、高橋):マドンナの「Vogue」ってこんなにかっこよかったっけ? っていうね(笑)。脇役も含めてキャストも総じて魅力的だったな。今回公開以来ひさびさに見たんだけど、まったく色褪せていなくてびっくりした。2000年代のエンパワメントムービーとしては『キューティ・ブロンド』(2001年)と双璧といってもいいぐらいに普遍的な良さがある映画だと思う。では、まずはあらすじを簡単に。「ジャーナリストを志してニューヨークにやってきたアンディ(アン・ハサウェイ)。オシャレにまったく無関心な彼女が、世界中の女性が憧れる仕事を手にしてしまった! その仕事とは、一流ファッション誌『RUNWAY』のカリスマ編集長ミランダ(メリル・ストリープ)のアシスタント。しかし、それはミランダの理不尽な要求に振り回される極めて過酷なものだった。仕事に慣れていくにつれて私生活はめちゃくちゃになり、恋人のネイト(エイドリアン・グレニアー)ともすれ違う日々。アンディの恋と仕事のゆくえはどうなる!?」。で、この期に及んでこんなことを言うのもどうかと思うんだけど…正直、ラブコメ色は希薄だよね。この連載で扱うことに違和感を覚える人がいてもおかしくないぐらい。 スー:アンディとネイトの恋愛モノとしては、ね。始まってすぐにネイトが出てきて、そのあとも要所要所に登場するんだけど…ヒロインの恋人なのに印象は希薄。だけど、この作品におけるネイトって、まともな人間らしい生活を表象する装置でしかないと思う。 高橋:単なる「恋か仕事か」の二項対立の象徴ではないと? スー:というか、ミランダが住む悪魔の岸の対岸としての存在。天国と地獄。でも、『プラダを着た悪魔』って私はミランダとアンディのラブストーリーと捉えた方がしっくりくるの。ミランダの仕事っぷりとカリスマ性と生き様に、最初は反発していたアンディが惚れたのよ。「認めさせてやる!」が「認められたい!」になり、ミランダの弱さを知ったあとは「役に立ちたい、助けたい」になって、最後には彼女からの自立でしょ? これって往年のメロドラマの筋書きじゃん。 高橋:なるほど、確かに確かに。
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確かに
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