新型コロナウイルス感染拡大の打撃に対し、米金融当局が成長てこ入れのために供給している巨額の資金について、先行き経済的に痛みを伴う結果につながりかねないとして米債券市場は警鐘を鳴らしている。それは景気停滞と物価の持続的上昇が併存するスタグフレーションの可能性だ。
米連邦準備制度が毎週、米国債をはじめとする多額の資産を購入する状況にあって、長期債利回りは上昇し、イールドカーブ(利回り曲線)は3年ぶりの急勾配となっている。スティープ化の現象は通常、成長見通しの改善を示唆するもので、株式などより高リスクの資産も確かに値上がりしている。
しかし、思い出せる限り最も深刻となりそうな不振から米経済活動が底打ちする兆しを示したばかりの段階で、一部投資家はインフレ期待に及ぶ影響への懸念を強めている。
市場が対応し始めているのは、感染拡大の収束後に1970年代に経験したようなスタグフレーションが定着し、悩みの種になるというリスクだ。インフレ連動債に投資するファンドに多額の資金が流入し、消費者物価見通しのもう1つの指標であるブレークイーブン・レートも上昇に転じつつある。
連邦準備制度にとって、3月の市場混乱のピーク時に見られたようなデフレ不安が解消されるのは、まさに前例のない規模の金融緩和の狙い通りであり、歓迎すべきものだろう。だが、雇用創出のペースが鈍い局面でのインフレ加速というシナリオは理想的なものとは程遠い。投資家の大半が何年先もの低金利に備えてきた中で、利回りが急上昇することへの不安は危険でもある。
アルファシンプレックス・グループの主任調査ストラテジスト、キャスリン・カミンスキ氏はスタグフレーションについて、「短期的なシナリオではないが、長期的に恐ろしいシナリオだ」と指摘。そうなった場合、景気回復に伴って当初は株高が続くものの、その後は下落に転じ、債券相場は下げて商品相場は上昇し、ドル安となるだろうとの見方を示した。
一方、構造的に見れば、インフレを抑制してきた過去数十年ものサプライチェーンのグローバル化は行き詰まっているのかもしれない。エコノミストの間では、企業が外国に移した生産拠点を自国に戻すリショアリングの可能性やそれに伴う世界経済の落ち込みが取り沙汰されている。
モルガン・スタンレー・アジアの会長を務め、現在は米エール大学の上級講師、スティーブン・ローチ氏は「リショアリングの傾向と、新型コロナワクチンが利用可能となった場合の消費者の累積需要回復の可能性を考え合わせると、コスト上昇という致命的な組み合わせになる」と語る。
その上でローチ氏は「現在起きている雇用の破壊は新型コロナ禍後の世界の持続的な特性となるだろう。雇用からの労働所得なしでは、回復は勢いを欠き、それがスタグフレーションのシナリオのうち、景気停滞の部分を意味する」と話した。
原題: Bond Market Flashes Stagflation Alarm After Fed’s Gusher of Cash(抜粋)
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June 05, 2020 at 02:04PM
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米債券市場が警鐘鳴らすスタグフレーションの可能性-多額資金供給で - ブルームバーグ
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