「マーケットには強気の声が台頭しているが…?」
●基本方針は戻り売りが正解!
マーケットにはにわかに、強気の声が台頭しつつある。すなわち、「コロナ・ショックはほぼ克服された」とか、「悪材料の多くを株価は織り込んだ」、さらには「今回の株価調整は短期収束型の可能性が高い」といったレポートが相次いでいる。
彼ら(ストラテジスト・戦略家)はプロだ。その見方をすべて否定するつもりはない。しかし、筆者の考えはちょっと違う。まして、「2番底は絶対にない」「今年はSell in Mayを想定しなくても良い」などの見解には首をかしげたくなる。本当にそうか。
確かに、4月30日の株式市場は NY市場の急騰を受け、 日経平均株価が422円高の2万0193円(ザラバ高値は2万0365円)と、大幅高になった。抜群に強いじゃないか。いや、ここまでの戻りは想定の範囲内だ。問題はこのあとだろう。
筆者はこの局面(日経平均株価の1万9500円超)では基本的に戻り売り、銘柄を絞り込み、小玉での小すくい(短期・順張り)に徹する、この戦術(投資作戦)が「3%の勝者」になるための必須条件と主張している。そう、現金比率を高めておく必要がある。
もちろん、3月初~中旬のような安値ゾーンでの対応は異なる。ここでは政策支援の効果は抜群だ。だが、戻り一杯の2万0500円近辺では悪材料の顕在化の方が強い。株価は悪材料に敏感に反応する。
●“小物”にマトを絞った投資戦術を!
ゴールデン・ウイーク明けには2020年3月期の決算発表が本格的に始まる。日本電産 <6594> のようなケース(2021年3月期は66%最終増益)は例外だろう。多くの企業は通期予想を「非開示」とする見込みだ。ちなみに、2月期決算では46%の企業が通期予想を開示しなかった。これはやむを得ないと思う。
なお、4月30日現在の日経平均株価の1株利益(予想ベース)は1259円(実績ベースは1729円)だ。これは27.2%減益となる。ちなみに、日経平均株価の1株利益はこの2カ月余りの間に約500円減少した。これは投資価値の低下を意味する。
それに、PER16倍水準は割安とはいえない。だからこそ、目先は慎重に、と唱えている。なにしろ、4月29日(NY市場)、30日の売買代金のうち、何と「7~8割がAIを駆使したシステム売買だった」といわれている。
これでは先物、インデックスの動きに振り回されてしまう。やはり、ここは“小物”にマトを。商いを伴って堅調なGMOクラウド <3788> 、UUUM <3990> [東証M]、オンライン教育のすららネット <3998> [東証M]、膵炎治療薬「フサン」に抗ウイルス作用があるといわれる日医工 <4541> 、材料豊富な広栄化学 <4367> [東証2]などに妙味があろう。
2020年5月1日 記
★2日~6日に「ゴールデンウイーク特集」を一挙、“29本”配信します。ご期待ください。
株探ニュース
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May 03, 2020 at 07:15AM
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