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Thursday, March 26, 2020

ロードバイクは25Cタイヤが主流になり、さらに28Cへとワイド化しそうなのはなぜか | Cyclist - Cyclist(サイクリスト)

今回のお題

Q:25Cタイヤが主流になり、さらにワイド化した28Cタイヤなどが出てきた理由について教えてください。ディスクブレーキ化と関係ありますか?

A:いやーもう完全に25Cになりましたね。それどころか28Cや32Cという声も聞こえてきてる。僕が自転車を始めた頃は21Cで走ってたもんです。乗鞍はずっと21Cのチューブラーで出てました。20Cも使ってたな。先輩に「上りなら9気圧くらい入れろ」とか言われて。さすがに軽かったけど、タイルの継ぎ目でもハンドルとられて怖かったなぁ。

 さて、どんどん太くなるロードタイヤの質問ですね。タイヤのワイド化はホイールのワイドリム化と切っても切り離せないテーマなんですが、話がゴチャゴチャするので、今回は無茶を承知であえてタイヤ幅に絞って話をします。

 まずお伝えしておきたいのが、自分はこの業界にどっぷり入りこんで表から裏までなにもかも知り尽くしている、というタイプの人間ではないということです。自転車トレンドの震源地からは遠く離れた島国の上で、あくまでユーザーという立場からモノを見て、あーだこーだと言っているにすぎない。なので、業界の中の人達が本当はどういう意図で25C化しているのかは知りません。すみません。でも、基本的にはこういうことだと思ってます。

タイヤの太幅化のメリット・デメリット

 まず、巷で言われているように、タイヤが太くなることで「グリップが上がる」「快適性が高くなる」「転がり抵抗が低くなる」のは確かだと思います。しかし、「重量と空気抵抗の増加」という大きな欠点もあります。

25cサイズのタイヤは安定感や快適性に優れるがデメリットも Photo: Masahiro OSAWA

 よく「技術の進歩によって25Cでもかつての23Cと同等の軽さを実現した」などと言われますが、半分は間違いです。確かに最近の25Cは昔と比べて軽くなっていますが、「その技術を使って23Cを作れば確実に25Cより軽くなるから」です。それは「タイヤを軽く作れるようになった」ということであり、「25Cだけが軽くなった」わけではありません。

 実際、同じ銘柄で23Cと25Cを乗り比べると、安心感や快適性では25Cの勝ちですが、挙動の軽快感や登坂能力はたいてい23Cのほうが優れています。

なぜ25C化が進んだか

 それならロード界で23Cと25Cが共存してもよさそうなものですが、なぜ25Cが主流になったのか。それは、「安全のため」ではないでしょうか。

 世界的にロードバイクにいろんな人達が乗るようになった→今までのように上手い人達だけが乗りこなせるような乗り物ではマズい→テクニックのない人でも安全に乗れるようにしなければ→タイヤを太くしてディスクブレーキ化して、ロードバイクの総合的な制動性能とグリップを上げよう……ということだと思います。

 リムブレーキをディスクブレーキにするだけでは制動力は上がりませんが、タイヤをワイド化すれば制動力は上がりますからね。

リムブレーキはホイール外周部で制動。ディスクブレーキはホイール中心部で制動。油圧の制動力を除いて考えた場合、原理的にはホイールの外周部で制動するリムブレーキのほうが制動力が高くなるはず Photo: Masahiro OSAWA

 ワイドタイヤ化もディスクブレーキ化も、基本的には「ロードバイクを安全な乗り物にするための変化」。クルマに自動ブレーキが付き始めたのと同じことです。

 では、それはいいことなのか。どう考えてもいいことでしょう。ロードバイクでの怪我や死亡事故が少しでも減るんですから。確かに(これまで散々書いてきましたが)ディスクブレーキ化によってロードバイクのしなやかさ・一体感が減じてしまったり、バイクの総重量が増してしまったり、25C化によって挙動の軽やかさが多少犠牲になってしまったりすることは事実ですが、それはこれからどんどん熟成が進み、解消されるはずです。

 実際、出始めの頃の25Cは重くてブヨブヨなだけのタイヤが多かったですが(おそらく23C前提で設計したものをただ単に25C化しただけのやっつけ仕事だったから)、最近の25Cは本当に良くなりました。走りは軽いし乗り味もいい。もちろんコンパウンドや構造の進化もあるでしょうが、25C前提の設計になったことも大きいでしょう。同様にディスクロードも急激によくなっています。乗り物はそうやって進化していくものです。

23Cの復活はありそうか

 「その最新の技術を使って23Cタイヤと軽量リムブレーキ車を作ったら、もっと軽やかでよく走る夢のようなロードバイクができるのでは?」

 確かにそうかもしれません。僕もそれを夢見たことがないとは言えません。

 例えば、最新コンパウンドを乗せた23Cの“チューブレスチューブラー”を、最新技術で設計した超軽量ナローリムのカーボンチューブラーホイールに貼り、タイヤクリアランス23Cで設計した軽量最新ロードフレームに履かせたら(タイヤクリアランスが小さくていいのなら、BB周りの設計はグッと楽になるはずです)、一体どんな走りをしてくれるのだろう―。

 でも、それは無い物ねだりというものです。クルマの世界だって、かつてのような軽量でシンプルでハイパワーなスポーツカーは作れなくなっているそうです。それは安全性の基準が変わり、快適性への要求度合いが変わり(快適装備の充実=重い、室内空間の拡大=デカい)、燃費や排出ガスの縛りがびっくりするほどキツくなったからです。ロードバイクだって同じです。今さらそんな古臭いモノを作っても、一部のマニア以外は見向きもしません。

 結局のところ、「時代が変わった」ってことでしょう。こう言うとなんだかネガティブに聞こえるかもしれませんが、僕はそうは思いません。

 「新しい時代の乗り物を手に入れて、その進化と熟成を楽しむこと」も、「古き良き時代の自転車を大切に維持しながら、その走りを味わう」ことも、両方とも同じくらい楽しいからです。僕はその両方ともやってます。それって、大げさに言えば、機材遊びの楽しさが2倍になるってことですからね。

 なんだか25Cタイヤから話がそれてしまいました。すいません。

インプレッションライダー・安井行生(やすい・ゆきお)

 大学在学中にメッセンジャーになり、都内で4年間の配送生活を送る。ひょんなことから自転車ライターへと転身し、現在は様々な媒体でニューモデルの試乗記事、自転車関連の技術解説、自転車に関するエッセイなどを執筆する。今まで稼いだ原稿料の大半をロードバイクにつぎ込んできた自転車大好き人間。

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