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- 筆者はイタリアでソムリエをしている。ワインの中にはバーやレストランで注文しない方がいいものもある。
- 美味しい白ワインを探しているなら、シャルドネはやめてギリシャのアシルティコを注文しよう。
- メルローやピノ・ノワールは人気のある有名な赤ワインだが、チェサネーゼやバローロの方が厚みのある力強い味わいが楽しめる。
20年前に"ワインの旅"を始めた頃、自分は何が好きでどうして好きなのか、表現するのが難しかった。正直に言って、ワインは人をおじけづかせることもあるのだ。
店でワインリストを渡されるたびに頭を悩ませているのは、あなただけではない。もっと親しみやすくて、消費者に売り込みやすいワインを作るために、ビジネスモデルにAI(人工知能)を利用しているブドウ園もある。
イタリアで修業を積み、ソムリエとして働いている筆者は、クライアントに"新しいお気に入りの一杯"を探すことができると自負している。その一方で、注文しない方がいい人気ワインについても学んできた。
筆者が注文しないワインの種類と、その代わりのお薦めをいくつか紹介しよう。
「泡」は魅力的かもしれないが、プロセッコは避ける
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プロセッコはよく注文される発泡性ワインのひとつだ。ただ、人気はあっても、味気ないことが多い。
ほとんどのボトルは個性のない大量生産品だ。スプリッツやミモザのミキサーとして使うにはいいが、それだけだ。
人々がプロセッコを注文するのは、手頃なスパークリングワインでありながら、爽やかで華やかな味わいが楽しめるからだ。筆者が代わりにお薦めするのは、ペティアン・ナチュール(別名ペット・ナット)だ。
この自然なスパークリングワインは無濾過で、発酵中に瓶詰めされるため、生き生きとした発泡性の飲み物となり、感動すること間違いなしだ。
幸運なことにペット・ナットは価格も手頃で、25ドル(約3900円)以下で売られていることが多い。ちなみに筆者のお気に入りは、サンディエゴのロス・ピラレス(Los Pilares)とローマのカンティーナ・リベラ(Cantina Ribelà)だ。
知っているものを飲み続けがちだが、次はシャルドネをやめてみよう
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シャルドネは世界中のほぼ全てのワインの産地で栽培され、知名度もあるため、定番の選択肢かもしれない。ただ、シーフードと合わせたり、テラスで楽しむ軽い白ワインを探しているのであれば、このワインはベストな選択肢ではないと筆者は考える。
爽やかさを求めるなら、ギリシャのアシルティコを選んでみよう。この爽やかな白ワインは柑橘系の香りとミネラルのニュアンスで知られている。
ピノ・グリージョよりもっと美味しい1杯がある
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お決まりのピノ・グリージョに手を伸ばす代わりに、イタリアの同じ地域で造られるガルガーネガの世界を探ってみよう。
クライアントとの経験から、ピノ・グリージョを飲む人の大半はピノ・グリージョが好きなわけではなく、シャルドネよりブライトな白を求めているだけだと分かった。筆者はストーンフルーツや柑橘類の風味があって、ピリッとした後味のガルガーネガの方が面白いと思う。
美味しくないガルガーネガを飲んだことはないが、個人的に好きなのはラ・ビアンカーラ(La Biancara)だ。
メルローは無難な選択だが、エキサイティングではない
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メルローは無難かもしれないが、やや退屈かもしれない。筆者はメルローよりもローマのチェザネーゼが飲みたい。
比較的知られていないこのイタリアの赤ワインはダークフルーツの風味、ザクロ、ほのかなスパイシーさがブレンドされたユニークな味わいで、ワインの新しい冒険を求める人々の心をくすぐる選択肢だ。
アメリカでは人気が高まっていて、筆者はダミアーノ・チョッリ(Damiano Ciolli)、カンティーナ・リッカルディ・レアーレ(Cantina Riccardi Reale)、マルコ・アントネッリ(Marco Antonelli)などをお薦めしている。
筆者はソーヴィニヨン・ブランがなぜ人気なのか、よく分からない
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ソーヴィニヨン・ブラン、その中でもニュージーランドのものは最近かなり人気が高いものの、筆者は(筆者の同僚の多くも)その人気の理由がよく分からない。
スグリや柑橘類の香りは見分けがつきやすく、市場に出回っている他の多くの白ワインよりも刺激的だ。しかし、正直に言うと、筆者にはあまりいい匂いには感じられない。
代わりにお薦めしたいのが、フランスのロワール地方のシュナン・ブランだ。この万能な白ワインは生き生きとした酸味、蜂蜜のような香り、辛口から甘口までの幅広い表現で知られている。
フランスワインの多くにはブドウの品種ではなく産地の名前が付けられているので、試してみたい人はヴーヴレイ(Vouvray)、ソミュール(Saumur)、サヴニエール(Savennières)を探してみてほしい。ニコラ・ジョリー(Nicolas Joly)は間違いない。
良くもなく悪くもないカベルネ・ソーヴィニヨンをもう1杯… は避けよう
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ナパ・バレーのカベルネ・ソーヴィニヨンは市場で最も分かりやすい赤ワインのひとつだが、必ずしもそれが良いわけではない。筆者はジューシーかつリッチで、しっかりしたサペラヴィの方が好きだ。
サペラヴィはジョージア(ワイン発祥の地)が原産で、世界で最古のワイン用ブドウの1つだ。ダークベリー、チェリー、プラムの香りに、タバコやレザーのニュアンスもある。
筆者がこれまでに飲んだ中で最高のサペラヴィのひとつは、ラグヴィナリ(Lagvinari)だ。
ロゼだけが"夏のワイン"ではない
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ロゼは夏の定番かもしれないが、筆者はアンバーワイン(オレンジワインとも呼ばれる)で気分を変えたい。
この個性的な白ワインはブドウの果皮と長時間触れることで独特の色になり、リッチで複雑な風味をもたらす。
他のワインに比べるとまだ認知度は低いものの、ルカツィテリ(Rkatsiteli)、ムツヴァネ(Mtsvane)、キシ(Kisi)といったオレンジワインはアメリカのソムリエの間で人気が高まっている。
ゴッツァ・ワインズ(Gotsa Wines)など、筆者のお薦めは8000年のワイン造りの歴史があるジョージアのアンバーワインだ。
いつもピノ・ノワールを選んでいるなら、視野を広げてみても
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ピノ・ノワールもまた、認知度が高いために注文されることが多い飲み物だろう。しかし、筆者はむしろイタリアのピエモンテ地方でネッビオーロ種から造られるワインをじっくり味わってみたい。
ネッビオーロは力強いタンニンとチェリーやトリュフの風味を持つ、大胆な赤ワインを生み出す。五感を楽しませてくれるワインだ。
より果実味の強いワインを望むならネッビオーロ・ダルバ(Nebbiolo d'Alba)が、より大胆でタンニンの強いワインを望むならバローロ(Barolo)がお薦めだ。
入手困難で高価(1本少なくとも100ドルはする)だが、ジュゼッペ・リナルディ(Giuseppe Rinaldi)のバローロを手に入れられれば後悔はしないだろう。
からの記事と詳細 ( 現役ソムリエが教える、自分では注文しない人気ワインと代わりに頼むワイン 8 - Business Insider Japan )
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