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Monday, January 15, 2024

<コラム 筆洗>「妻と義母」は1915年、英国の漫画家が発表した有名な「隠…:東京新聞 TOKYO Web - 東京新聞

 「妻と義母」は1915年、英国の漫画家が発表した有名な「隠し絵」で、見ているとなんだか落ち着かなくなる▼若い女性の横向きの顔が見えるが、その首元あたりを見ていると、今度は年老いた女の人の顔が見えてくる。1枚の同じ絵なのに、異なる顔が浮かび上がる▼選挙結果に異なる「妻」と「義母」の顔を見ている気になる。台湾総統選である。対中強硬派で中台関係の「現状維持」を訴えた民進党の頼清徳氏が当選した。中台統一をにらむ中国に対し、頼氏の強硬路線に一応の軍配が上がった▼ただし、別の「絵」が見えなくもない。勝利したとはいえ、敗れた「融和路線」の2候補の得票数を合わせれば頼氏の得票はそれを大きく下回る。同時に行われた立法委員(国会議員)選挙では野党勢力が議席を伸ばし、民進党は過半数を維持できなかった。選挙結果を1枚の絵としてとらえれば中国に対し、にらみつけるかのような有権者の顔と同時に少しほほ笑んだ顔の両方が複雑に入り交じっているかのようである▼1枚の絵の中に間違いなく描かれているものがあるとしたらそれは台湾有事に対する有権者の強い不安である。今後、中国が台湾への圧力を高める可能性もある▼台湾海峡の緊張緩和に向けてどう動くか。頼さんの好物は甘いタピオカミルクティーとか。残念ながらその飲み物とは違い、甘くない道が待つ。

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