四国は海に囲まれた海産物の宝庫でありながら、農業も盛んな地域です。 4県それぞれに、名産品を活かした魅力的な郷土料理があります。今回は四国の郷土料理のレシピをご紹介します。自宅にいながら四国の味を楽しみ、旅行気分を味わってみませんか?
愛媛|四国の郷土料理レシピ
鯛めし
愛媛県を代表する名物です。鯛を米と一緒に炊き込んで食べるものと、生の切り身をご飯に乗せて食べる料理の2種類があります。どちらにも異なる魅力がありますが、ここでは鯛を炊き込む作り方をご紹介します。
材料(4人分)
● 米:2カップ
● 鯛:200~300g
● だし昆布:10cm
● 薄口醤油:大さじ2
● 酒:大さじ1
● 塩:小さじ1/2
● 水またはだし汁:2と1/5カップ
作り方
- 鯛のうろこを引き、内臓を出して、皮に切れ目を入れる(2~3カ所)。
- 米は洗って30分おく。
- 釜に2を入れ、濡れ布巾で拭いた昆布をその上におき、1をのせる。
- 薄口醤油、酒、塩、水またはだし汁を加えて炊きあげる。
- 鯛と昆布を取り出し、鯛の骨を取り身をほぐしてご飯に混ぜ合わせる。
- 好みで木の芽や三つ葉を加える(分量外)。
出典:農林水産省「うちの郷土料理」
いもたき
家庭料理として親しまれるほか、秋には地域のイベントで振る舞われる料理です。里芋と季節の野菜などを煮込み、大鍋を囲んでいただきます。
材料(4人分)
● 鶏肉:300g
● 里芋:400g
● 生揚げ:1枚
● 白玉粉:100g
● しいたけ:4枚
● だし汁:5カップ
● 砂糖:大さじ2~3
● みりん:大さじ2
● 醤油:大さじ3
● 酒:大さじ1
● 塩:少々
● サラダ油:適量
作り方
- 里芋は皮をとって熱湯に塩を入れてゆで、生揚げは一口大に切り油抜きする。
- 白玉粉に少しずつ水を加え、耳たぶ位の固さに練って団子にし、熱湯でゆでる。
- 油を熱して鶏肉を炒めた後に1を入れてよく炒め、だし汁を加えて里芋が口の中でとろっとするくらい、やわらかくなるまで煮る。
- 2の団子と砂糖、みりん、醤油、酒を加えて甘辛く味付けし、汁と一緒に食べる。
出典:農林水産省「うちの郷土料理」
今治焼き鳥
タオルで有名な今治市が発祥で、串に刺さないのが特徴の焼き鳥です。鉄板に押しつけながら焼くため、普通の焼き鳥より火の通りが早く、調理に時間がかかりません。愛媛県では居酒屋などでも食べられる名物料理です。
材料(2人分)
● 鶏もも肉(大):1枚(約300g)
● キャベツ:1/2枚
● 塩:小さじ1/4
● こしょう:少々
● サラダ油:小さじ1
合わせ調味料
● しょうゆ:大さじ1
● 砂糖:小さじ2
● みりん:小さじ2
作り方
- 鶏肉は余分な脂肪を取り除いて皮をはがし、肉は一口大に、皮は大きめの一口大に切る。塩とこしょうをもみ込んでなじませる。
- フライパンにサラダ油を強めの中火で熱し、鶏肉と皮を重ならないように広げ入れる。へらで押しながら約3分焼きつけ、上下を返してへらで押さえながらさらに約2分焼く。
- 出てきた脂をペーパータオルで拭き取り、鶏肉と皮を中央に寄せる。合わせ調味料をフライパンの縁に沿って回し入れ、ひと煮立ちしたら全体にからめる。
- 器に盛り、ざく切りにしたキャベツを添える。
出典:オレンジページ「愛媛県・今治風焼きとり」
高知|四国の郷土料理レシピ
かつおのたたき
高知県を代表する名物料理です。高知県ではたたき料理が盛んで、さまざまな魚や野菜がたたきとして食べられています。中でもカツオは高知県の県魚で、季節を問わず食べられる定番の一品です。
材料(4人分)
● カツオ切り身:300g
● 塩:小さじ1/2
● 柚子酢:大さじ1
● 醤油:大さじ3
● ねぎ:1本(20g)
● たまねぎ:少々
● にんにく:4~5粒
作り方
- 3枚におろした身を背と腹に切り分けて、焼き網にのせるか魚串に刺して炎の先にかざし、3面をあぶる。
- 厚めの刺身に切る。
- まな板の上で塩を振って叩き、さらに半量の柚子酢と、醤油を振りかけて軽く叩いて、皿に盛る。
- カツオの上ににんにくの薄切りを散らし、好みでねぎの小口切り、たまねぎの薄切りを散らす。残りの醤油と酢をかける。
出典:農林水産省「うちの郷土料理」
ぐる煮
冬の家庭料理として親しまれている「ぐる煮」は、季節の根菜類で作った煮物のことです。「ぐる」は土佐の方言で「仲間」「みんな」という意味があり、いくつもの食材を一緒に煮込むことから、この名がつけられたといわれています。
材料(4人分)
● 大根 300g
● 里芋 140g
● 人参 80g
● ごぼう 80g
● こんにゃく 1/2丁
● 厚揚げ 1枚(または油揚げ2枚)
● だし汁(だしじゃこ) 2カップ
● 薄口醤油 大さじ2
● 砂糖 小さじ2
作り方
- 里芋以外の材料は2cmの角切りにする。里芋は皮をはいでゆでてぬめりを取り、他の材料よりやや大きめに切る。
- だし汁に具材を入れ調味料で味付けし、弱火で煮る。
出典:農林水産省「うちの郷土料理」
田芋のころばし
高知県では里芋を「田芋」と呼び、昔から汁物の具やきんとん、煮物で食べられてきました。「田芋のころばし」は田芋を使った煮物で、ごまの上で田芋を転がしながらまぶすのが特徴の料理です。
材料(4人分)
● 子芋:600g
● だし汁:適宜
● 砂糖:大さじ3
● 醤油:大さじ4
● みりん:大さじ2
● 白ごま:大さじ3
● 柚子皮:少々
作り方
- 子芋を皮つきのまま熱湯に入れ、3~5分くらいゆでてざるに上げ、皮をつまむようにして中身を押し出して皮をはぐ。
- 鍋に1とかぶるくらいのだし汁を入れ、砂糖、しょうゆ、みりんを加えて煮る。沸騰したら弱火にして煮汁がなくなるまで煮て、振り動かして照りをだす。
- 平たい器に取ってあおいで冷まし、香ばしく炒った白ごまの上を転がす。
- 器に盛り、千切りした柚子皮を散らす。
出典:農林水産省「うちの郷土料理」
香川|四国の郷土料理レシピ
打ち込み汁
言わずと知れた香川の名物「讃岐うどん」を活かした郷土料理です。煮干しのだしにうどんと季節の野菜を煮込んで作ります。
材料(5人分)
● 小麦粉(中力粉):300g
● 水:160ml
● 大根:300g
● 人参:100g
● ごぼう:100g
● 里芋:150g
● 油揚げ:1枚
● ねぎ:少々
● 中味噌(淡色味噌):100g
● だし汁(煮干し):7カップ
作り方
- ボウルに小麦粉と水を入れて手早くこねて生地を作り、寝かせる。
- 大根、人参、油揚げは短冊切り、ごぼうはささがきにする。里芋は一口大に、ねぎは2cmくらいの大きさに切る。
- 鍋にだし汁を入れ、大根、人参、油揚げ、ごぼう、里芋を加えて煮る。
- まな板に打ち粉をふり、1の生地をめん棒でのばし、すこし太めの麺に切る。
- 3が沸いたら4の麺を入れ、7~8分後に麺が煮えたら味噌を加える。
- 最後にねぎを加える。
出典:農林水産省「うちの郷土料理」
あんもち雑煮
あん餅が使われた珍しいお雑煮ですが、香川県ではお正月の定番として食べられています。甘味と塩味の組み合わせが独特の魅力をもつ郷土料理です。
材料(5人分)
● 餅(あん入り丸餅):5個
● 金時人参(3~5cmの太さ):50g
● 大根(3~5cmの太さ):150g
● 豆腐:1/3丁
● だし汁(煮干し):5カップ(餅の量により加減する)
● 白味噌:100~130g
● 青のり:適量
作り方
- 金時人参と大根は厚さ2mm位の輪切りにする。豆腐は長さ3cm、厚さ1cmの拍子木切りにする。
- 煮干しでだしを取り、1を入れて煮る。
- 野菜が柔らかくなったら丸餅を入れ、餅も柔らかくなったら豆腐を入れ一煮立ちさせる。
- 白味噌を煮汁でのばしながら入れる。
- 餅が椀にくっつかないように椀に大根をおき、その上に餅をのせ、輪切にした大根、金時人参、豆腐を彩りよく盛り、最後に青のりを振る。
出典:農林水産省「うちの郷土料理」
こんにゃくのはちはい
高松市などでこんにゃくの生産が行われていたことから、作られるようになりました。あまりにおいしいので8杯おかわりした人がいるからなど、名前には諸説あります。現在も家庭料理として親しまれている料理です。
材料(4人分)
● こんにゃく:200g(1丁)
● 干ししいたけ:4枚
● 人参:80g
● 里芋:120g(4個)
● かんぴょう:8g
● だし汁(煮干し):600ml
● しいたけの戻し汁:100ml
● 薄口醤油:30ml
● しょうが:少々
作り方
- こんにゃくは、3等分したものを斜めに三角に薄く切る。干ししいたけは、浸る程度の水で戻し、いちょう切りにする。人参は幅1cm長さ3cmの短冊切りにする。里芋は食べやすい大きさに切る。
- 塩でよくもみ洗いしたかんぴょうを水から入れてゆで、4cmの長さに切り結び目をつくる。
- だし汁に干ししいたけの戻し汁を加え、1、2の材料を入れて煮る。煮る途中でアクをとる。
- 醤油で味をととのえる。器に盛り、おろししょうがを添える。
出典:農林水産省「うちの郷土料理」
徳島|四国の郷土料理レシピ
そば米雑炊
そば米とは、そばの実を塩ゆでして殻をむいて乾燥させたものです。徳島県の祖谷(いや)地方が発祥で、米が育ちにくい気候であったことからそばを使った郷土料理が定着しました。プチプチとした食感が魅力です。
材料(4人分)
● そば米:120g
● 鶏もも肉:100g
● 酒:大さじ1強
● ちくわ:1本
● にんじん:1/4本
● 干ししいたけ:2枚
● こんにゃく:1/3丁
● 青ねぎ:2本
● 水(だし汁用):4カップ
● 煮干し:12尾
● しいたけの戻し汁:適量
● 薄口醤油:大さじ3
● みりん:大さじ1/2
作り方
- そば米はたっぷりの水(そば米の8倍の水)で中火にて10~15分程ゆで、水洗いしてザルにあげておく。
- 煮干しをだし袋に入れ、前日より鍋で水につけておく。干ししいたけはぬるま湯で戻し細切りにし、戻し汁を鍋に加えて火にかけ、沸騰後2~3分したら煮干しを取り出す。
- 鶏もも肉は皮を除き、1cm角に切り、酒をふりかけてもんでおく。にんじんは、いちょう切りにする。こんにゃくは塩もみして洗った後、2cmの短冊切りにする。ちくわは縦半分に切ってから薄切りにする。
- 2に鶏もも肉、にんじん、こんにゃく、ちくわ、干ししいたけを入れて中火で10分煮る。薄口しょうゆ、みりんで味を付け、最後にゆでたそば米を入れ、小口切りにした青ねぎをあしらう。
出典:農林水産省「うちの郷土料理」
ならえ
もともとは大根、人参、油揚げ、ごま、れんこん、干ししいたけ、こんにゃくの7つの食材を三杯酢で和えたもので、法事や彼岸の精進料理として食べられていました。現在では家庭料理として、さまざまな旬の野菜を取り入れて作られています。
材料(4人分)
● 大根:1/6本(160g)
● 人参:1/3本(40g)
● 干ししいたけ:2枚
● 油揚げ:1枚
● しいたけの戻し汁:1/4カップ
● れんこん:1/4節(40g)
● ごぼう:1/5本(30g
● 高野豆腐:1/2枚
● だし汁:1/4カップ
● 砂糖:大さじ1/2
● 薄口醤油:小さじ1/3
● 塩:ひとつまみ
● 柚子の皮:適量
● 白ごま:小さじ1
合わせ酢
● 米酢:大さじ4
● 砂糖:大さじ4
● 薄口醤油:小さじ1
● みりん :大さじ1
● 酒:大さじ1
● 塩:小さじ2/3
作り方
- 大根、人参は皮をむき3cm長さの短冊切りにする。
- 干ししいたけは水で戻し、5mm幅に切る。
- 油揚げは油抜きをして、縦半分に切り、さらに5mm幅に切る。
- れんこんは皮をむき、3mm厚さの輪切りにする。太い場合は半月またはいちょう切りにする。
- 大根、にんじん、れんこん、しいたけ、油揚げをしいたけの戻し汁で煮る。火が通ったらザルにあげて水気を切る。
- ごぼうは皮をこそげて3cm長さの斜め輪切りにし、太めの千切りにしてゆでる。
- 高野豆腐はぬるま湯で戻して三角形に切り、厚みを2~3枚にスライスする。だし汁、しいたけの戻し汁、砂糖、薄口醤油、塩で煮含める。
- 合わせ酢の材料を全て混ぜ合わせる。
- 5、6、7の汁気を切り、合わせ酢と和える。味がなじんだら器に盛りつけ、白ごまをふる。柚子の皮を千切りにして、天盛りにする。
出典:農林水産省「うちの郷土料理」
阿波ういろ
「名古屋ういろう」「山口ういろう」と並ぶ、日本三大ういろうのひとつです。江戸時代にサトウキビの栽培が徳島県に伝わり「阿波和三盆糖」が作られるようになったことを記念し誕生したといわれています。もちもちした食感と、素朴で優しい甘さが特徴です。
材料(4人分)
● あん(砂糖入り):300g
● 上新粉:100g
● もち米:10g
● 塩:1g
● 水:110ml
作り方
- ボウルにすべての材料を入れ混ぜ、よくこねる。市販のあんの水分量により、少しパサつくがこねているとなじんでくる。
- 流し箱(縦14cm、横11cm、深さ4.5cm)に移し、すき間なくしっかり詰める。
- 蒸気の上がった蒸し器で30~40分蒸す。流し箱に水滴が落ちないように、蒸し器の蓋にふきんをかける。
- 水でぬらした竹串を刺し、竹串に生の生地がつかなかったら火を止める。
- 蒸し器から流し箱を出し、粗熱が取れたら流し箱からういろを取り出し、適当な大きさに切る。
出典:農林水産省「うちの郷土料理」
まとめ
今回は、四国4県それぞれの郷土料理の材料と作り方を紹介しました。いずれも各地域で愛されている名物料理です。毎日の食卓に変化をつけるレパートリーのひとつとして、また特別な時のお祝い料理として、ぜひご家庭で四国の味を楽しんでみてください。
著者 成松由佳
大学院修士課程修了後、製薬会社での勤務を経て、特定保健指導に従事。併せてフリーのライターとして健康・栄養コラムを執筆している。またパーソナル栄養相談やレシピ開発、ラジオ出演など幅広く活動。食事に悩む時間や精神的なストレスを減らし、前向きに暮らせるようサポートしている。
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