ティソの人気モデル「シュマン・デ・トゥレル」が、この春、コレクションを一新した。スイスの伝統を継承する同作の歴史を振り返りながら、細部へのこだわりが光る新作を見てみよう。
ティソが誇るクラシックウォッチの銘品「シュマン・デ・トゥレル」が、待望のアップグレードを果たした。同作はそもそもヒストリカルな意匠が魅力の日付表示付き3針で、高性能の機械式ムーブメントを搭載してきた。世界的に有名なブランドでありながらも、手が届きやすい価格という、誠実なスイスメイドの美点を凝縮した自動巻き腕時計であった。誰にでも薦められ、玄人好みでもあるという、この時計の特徴を最大限に引き出す方向で今回のリファインは実行されている。
第一印象がよりノーブルになったのは、フォルムから再検討された成果だろう。風防のサファイアガラスはドーム型、文字盤も同じくサイドを落ち込ませるドーム型シェイプに変更された。さらに、ポリッシュとマットに磨き分けたドフィーヌ型の時分針を新たに採用し、秒針の針先も下げるなど、ミッドセンチュリー期に完成されたスイス高級腕時計のスタイルをしっかりと継承している。
外見だけでなく、性能も実に通好みだ。ティソが誇る約80時間のパワーリザーブで、耐磁性に優れるニヴァクロン製ひげゼンマイを採用した「パワーマティック 80」を搭載。フル巻き上げから丸3日以上止まらないハイスペックは、腕時計を外して過ごした週末明けにも、一切のストレスがない。
由緒あるブランドのルーツを授かった「ティソ シュマン・デ・トゥレル」
そもそもティソは1853年に誕生し、今年で創業170年を数える名門ブランドである。創業者のティソ親子が開いた工房は、当時の新興国アメリカと爛熟期の帝政ロシアの両方で知名度を上げ、世界的なブランドへと発展した。
そうした長い歴史を誇る一方で、現代ではスマートウォッチの先駆者的存在「T -タッチ」コレクションで知られる、テクノロジーの牽引役でもある。ティソは1999年には早くも世界初のタッチセンサー式腕時計を発表し、時代の先端を走ってきた。また、スポーツの公式計時でも数多くの実績をもち、NBAとFIBA、MotoGPなどで公式タイムキーパーを務める。過去に伝統を有し、未来に向けた技術がある。そういう時計ブランドなのだ。
「シュマン・デ・トゥレル」(=小さな塔のある道)の名は、スイスのル・ロックルに実在する通りから取られたものだ。有名な時計博物館もあるこの街に、ティソは1907年から本社を置いている。その通りは真正面にロゴを掲げたティソの社屋へまっすぐ向かい、建物を回り込んで終わる。ティソ本社の住所は「シュマン・デ・トゥレル17番地」である。
腕時計の「シュマン・デ・トゥレル」は、この先も変わらないルーツの名を授かった。ブランドの象徴ともいえる同作の進化は、伝統あるティソの存在感を再確認させるのである。
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問い合わせ先/ティソ
https://www.tissotwatches.com/ja-jp/
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