中国・広州市政府は3月8日、「広州市における国際消費中心都市の発展規画(2022~2025年)」を発表した。規画では、地域的な包括的経済提携(RCEP)協定を活用し、広州市を国際的な消費中心都市として建設するとした。具体的には、5年かけて広州市の国際的知名度やアクセスの利便性などを高め、消費や商業をより活性化し、海外の消費財を集めるなど、世界中の消費者を引き付けるような都市を目指すとした。
国際的知名度の強化については、世界展開をしている国内外の商業施設のデベロッパーや運営会社を誘致し、グローバルブランドの重要な流通拠点となることや新商品が他都市に先行して発表されるような機会をつくる。また、広州市が海外の観光先、国際組織の進出先、国際的な展示会などの開催先として最初に選ばれる場所となり、これまでの「世界に売る」から「世界に売る、世界から買う」への方向転換を図るとした。
アクセスの利便性については、全世界向けに便利で効率的な交通ネットワークを構築するとした。国際便と国内便が結ぶ都市の数を2021年の208都市から、2025年には240都市に増やすという目標を掲げた。
商業の活性化については、世界的な影響力を持つ商業圏を構築するとした。2025年には、国際的に有名な商品やサービスブランドの進出数を2021年の2,000件から2,200件に、免税店や出国税還付の店舗数を2021年の76店舗から300店舗に増やす。
同発表によると、広州市は人口約1,800万人の「一線都市(2022年6月8日記事参照)」である一方、優良商業施設(注)の数については、天河区を除く市内全域で不足しているという。また、米国不動産仲介大手クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(CUSHMAN & WAKEFIELD)のデータを引用し、グローバルブランドの浸透率も低いと指摘した。データによると、2021年の広州市における国際的な高級ブランドの進出数と店舗数は97社と54店舗で、国内都市別ランキングでは11位と9位だった。
(注)CUSHMAN & WAKEFIELDの定義によると、優良商業施設とは、特に商業用施設を所有し賃貸業務を行っているケースで、まとまった商業エリア面積が4万平方メートル以上(ショッピングセンターなどを含む)のことを指す。
(汪涵芷)
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