茨城の笠間駅前など地元密着型のイベントを定期的に行い「本気の町おこし」に取り組む安達勇人さん、その「4つの挑戦」とは?(写真:安達勇人さん提供)
2022年8月11日、「2022笠間納涼盆踊り花火大会」。会場となった笠間大池公園(茨城県笠間市)には約1万人が詰めかけた。
北関東でも屈指といえる動員を誇ったこのイベントを取り仕切ったのは安達勇人。地元・茨城で絶大なる人気を誇るアーティストだ。
そしてこの安達、もう一方で「地域プロデューサー」としての顔を持っている。
いわゆるお飾り、名義貸しの芸能人ではなく、自ら動き回り、会話に参加する「本気の町おこし」のプロジェクトに取り組んでいる。そんな安達勇人の「本気の町おこし」に迫ってみた。
「町おこしは、人起こし」がモットー
「地元を盛り上げる人を育てたいですね。それこそ、将来的には『いばらき大使』を務めるようなそんな人を育てていきたいです」
安達勇人、34歳。ソロアーティストとしての活躍はもちろん、『忍たま乱太郎』『王室教師ハイネ』に代表される2.5次元舞台の俳優や『ALL OUT!!』(石清水澄明 役)などのアニメ声優もこなすなど、芸能活動は多岐にわたる。
そんな安達には、もうひとつ「地域プロデューサー」としての顔がある。
笠間市を中心に、茨城全体の町おこしに取り組んでいる。冒頭の言葉は、安達に町おこしに関する展望を尋ねたときに出たものだ。
茨城県笠間市。「日本三大稲荷」に数えられる笠間稲荷神社があるこの地に、安達の拠点となる「ADACHI HOUSE」はある。2017年、事務所からの独立をきっかけに、安達は拠点を東京から茨城へと移し、東京と茨城を往復する活動スタイルに入った。
そこで立ち上げたのが町おこしのプロジェクト「ADACHI HOUSE」だ。モットーは「町おこしは、人起こし」。しかし、安達の考える町おこしは志だけには留まらない。
「地元の町おこしも、やっぱり食べていかなきゃならないというのはあります。気持ちだけでは無理なので、しっかりビジネスモデルは構築しています」
確かにそうである。2000年代に入り、数多くの自治体で町おこしが行われてきたが、成功例の多くでは町おこしそのものがビジネスモデルとして確立されている。
たとえば、有名なところでは新潟県村上市の「黒塀プロジェクト」。町の塀を黒くする景観づくりから、町屋を再生させ地元に観光客を呼び込み、イベントや地元産業に収益をもたらす町おこしを成功させたものだ。
では、安達はどういった町おこしに取り組んでいるのか。安達が仕掛けた「4つのポイント」に絞って解説していきたい。
「軽トラ男子」として茨城県内を駆け回る(写真:松原大輔)
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