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Sunday, June 12, 2022

存在しない川に架かった〝紅い橋〟の正体 密かについた「菊の紋章」 - withnews

全国的にも有名な東京都江東区の富岡八幡宮。その付近を歩いていると、住宅街の中に、突然、紅い橋が出現します。鉄製で丈夫そうな橋ですが、渡る途中で下を見ると、すぐそこは遊歩道。大きな高低差があるわけでもなく、そもそも橋を架ける理由が判然としません。

橋の近くには『八幡橋(旧弾正橋)』と記されたプレートが。どうやら、国指定の重要文化財​​であるようです。一体これは何なのか、文化庁とプレートを設置した江東区教育委員会に話を聞きました。

文化庁によれば、この橋は1878年、明治時代に作られたものです。明治政府の工部省赤羽製作所が製造しました。長さは約15mで、このような形の橋は単径間アーチ(タイドアーチ)と呼ばれます。

アーチ部分は鋳鉄、他は錬鉄からなる「現在では見られない珍しい材の組み合わせ方」。同庁は「東京に架けられた最初の鉄橋」「日本の土木技術史上貴重な遺構である」とします。

なぜ、川のないところに橋が架かっているのでしょうか。この橋、実はもともと東京市京橋区(現東京都中央区)の楓川(現在は埋め立てられ消滅)に弾正橋として架けられていたものです。1929年、現在地に移され、1977年6月に​​国から重要文化財に指定されました。

江東区教育委員会によれば、この橋が移されたのは、関東大震災後の帝都復興計画により廃橋になったため。移された後は富岡八幡宮の隣に位置することから、名称が「八幡橋」と改められました。同委員会は「現存する鉄橋としては最古に属するもの」「菊の紋章がある橋としても有名」としています。

菊の紋章については、前述した工部省の製作であるため、つけられたものと考えられています。しかしこの菊の紋章、普通に橋を渡っても確認できません。見るためには迂回して、橋の下を通る遊歩道へと移動し、下から欄干を見上げる必要があります。

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