日本初、いや世界初のジブリパークがオープンするのは、今年の秋だ。東京から電車で約3時間、名古屋市近郊の長久手市にある愛・地球博記念公園内にオープンする。2022年に入り、さらなる情報が続々と公開されている。
これまでに公開されたテーマパークのイメージや写真を見ていると、ついつい見入ってしまう。『となりのトトロ』(1988年)、『もののけ姫』(1997年)、そしてアカデミー賞受賞作『千と千尋の神隠し』(2001年)で知られる、世界的に有名なクリエーターが手がけるテーマパークへの期待は高まるばかりだ。
テーマパークは、「青春の丘」「ジブリの大倉庫」「もののけの里」「魔女の谷」「どんどこの森」の5つのエリアに分かれる。これらは全てスタジオジブリの有名な映画をベースにしており、園内の既存の自然と調和するように作られている。
青春の丘
公園の北口近くにある「青春の丘」は、ジブリのワンダーランドへの入り口だ。古い歩道橋の建物は、メインゲートとなる黄色い展望塔に生まれ変わる。『天空の城ラピュタ』(1986年)や『ハウルの動く城』(2004年)などに登場する、19世紀の架空のオブジェが設置される。
聖蹟桜ヶ丘を舞台にした映画『耳を澄ませば』(1995年)のファンなら、この赤い建物に見覚えがあるだろう。作品に登場したアンティークショップの地球屋だ。また、映画『猫の恩返し』(2002年)に登場する「猫の事務所」のミニチュア版もあるようだ。
ジブリの大倉庫
2018年9月に閉鎖された水泳プールは、ジブリの大倉庫に変ぼうを遂げる。屋内アトラクション施設となり、天候に関係なく楽しむことができるのが魅力だ。
屋内には、展示室や子ども向けの遊び場、ショップ、レストラン、ジブリ作品の展示品を保管する倉庫が設置される。展示室には、約170席の小さな映画館も備える。日本と西洋の建築デザインを取り入れた、活気に満ちた多彩な空間。
映画『天空の城ラピュタ』の象徴である空中庭園を再現し、映画の飛行船を6.3メートルの高さで再現し天井からつり下げる予定もある。
『となりのトトロ』をモチーフにしたプレイルームには、ジブリ美術館にあるような巨大な「猫バス」が登場。『千と千尋の神隠し』の不思議な街並みのような空間も計画されている。
上記の完成予想図から、ジブリの大型倉庫には『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)の舞台のようなエリアがあることが分かる。右側の壁には借りぐらしの家族が描かれ、庭には映画の小さな主人公アリエッティの目線で世界を体験することができる。
もののけの里
映画『もののけ姫』に登場した精錬所のたたら場が再現される「もののけの里エリア」。イノシシの神であるオッコトヌシのほか、神秘的な生き物が敷地内に潜み、ここに足を踏み入れれば映画の舞台となった室町時代(1336〜1573年)の田園風景を堪能できるだろう。
魔女の谷
大芝生広場近くにある未利用地は、『ハウルの動く城』と『魔女の宅急便』をテーマに魔女の谷エリアとして生まれ変わる。レストランやアミューズメント施設、休憩所、ハウルの城、キキの家族が暮らすオキノ邸などが整備される予定だ。
ヨーロッパの街並みをイメージしたイラストには、レストランや公園、休憩所、キキの実家などが描かれている。キキが住み込みで働くパン屋のほか、映画に出てくるようなパンを購入することができる。
『ハウルの動く城』の高さ16メートルの実物を展示。映画とは違い、城内では魔法使いの寝室ものぞけるのも楽しい。
ドンドコの森
そして、豊かな自然に囲まれたドンドコの森には、『となりのトトロ』のサツキとメイの家が出現予定。エリアの名前は、サツキとメイが精霊のトトロと一緒に、植えた種が芽を出すことを願って踊った「どんどこ踊り」に由来している。
完成予想図を見るだけでも、幻想的なジブリの世界に飛び込むのが待ちきれなくなってしまう。なお、青春の丘とジブリの大倉庫、ドンドコの森は2022年秋にオープン予定で、もののけの里と魔女の谷は、その1年後の秋オープンだ。
完成までは三鷹の森ジブリ美術館を訪れて、ジブリに関する知識をブラッシュアップしておこう。
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