排気量アップはあくまで結果
――何度も聞かれた質問だとは思いますが、この時代になぜ排気量アップを実施したのですか?
五島:今のわれわれは、単気筒の効率からすべてを決めているんです。一番トルクが出せて、燃焼効率がいい単気筒の構造と排気量を決めて、それが4つになるから今回は2387ccなんです。レヴォーグの1.6リッターエンジンが、フルモデルチェンジで1.8リッターに変更されたのも、同じ理由です。リーン燃焼の一番いいところを考えて導き出された1気筒の排気量であり、単にストロークアップでトルクを稼いだというわけではない。
――なるほど! では以前の研究段階だと、1.6リッターのシリンダーが最適解だったわけですね?
五島:そうなんです。その世代ごとにインジェクターの性能や、燃料を吹いた後の渦の状況も違いますから。あとエンジンで言うと、ターボのエアバイパスバルブやウェイストゲートバルブの電子制御化は、今までではできなかったことを可能にしてくれました。制御が細かく、かつ制御時間も短くなって、より人の感性に近づけることができました。
――では最後に、このWRX S4で一番大切にしたポイントを教えてください。
五島:WRXというクルマは“パフォーマンスカー価値”が一番大切で、つまりそれはお客さまにクルマとの一体感を味わってもらうことだと考えています。そのために、エンジンにしても足まわりにしても、データ解析だけではなく、われわれが実際にとことん走り込んでセッティングを重ねてきました。その成果をぜひ味わってほしいですね。
そしてわれわれにとってさらに大切なのは、このWRXで得た経験を、2025年以降の時代にもきちんと残していくことだと思っています。
(文=山田弘樹/写真=荒川正幸/編集=関 顕也)
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確かに
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