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Tuesday, November 30, 2021

先代から大きく進化した「スバルWRX S4」。新型に込めた思いを、開発責任者に聞いた。 - webCG

排気量アップはあくまで結果

――何度も聞かれた質問だとは思いますが、この時代になぜ排気量アップを実施したのですか?

五島:今のわれわれは、単気筒の効率からすべてを決めているんです。一番トルクが出せて、燃焼効率がいい単気筒の構造と排気量を決めて、それが4つになるから今回は2387ccなんです。レヴォーグの1.6リッターエンジンが、フルモデルチェンジで1.8リッターに変更されたのも、同じ理由です。リーン燃焼の一番いいところを考えて導き出された1気筒の排気量であり、単にストロークアップでトルクを稼いだというわけではない。

――なるほど! では以前の研究段階だと、1.6リッターのシリンダーが最適解だったわけですね?

五島:そうなんです。その世代ごとにインジェクターの性能や、燃料を吹いた後の渦の状況も違いますから。あとエンジンで言うと、ターボのエアバイパスバルブやウェイストゲートバルブの電子制御化は、今までではできなかったことを可能にしてくれました。制御が細かく、かつ制御時間も短くなって、より人の感性に近づけることができました。

――では最後に、このWRX S4で一番大切にしたポイントを教えてください。

五島:WRXというクルマは“パフォーマンスカー価値”が一番大切で、つまりそれはお客さまにクルマとの一体感を味わってもらうことだと考えています。そのために、エンジンにしても足まわりにしても、データ解析だけではなく、われわれが実際にとことん走り込んでセッティングを重ねてきました。その成果をぜひ味わってほしいですね。

そしてわれわれにとってさらに大切なのは、このWRXで得た経験を、2025年以降の時代にもきちんと残していくことだと思っています。

(文=山田弘樹/写真=荒川正幸/編集=関 顕也)

エンジンの排気量は先代から2割もアップしたものの、最高出力は300PSから275PSに、最大トルクは400N・mから375N・mにダウン。しかし、実質的な加速性能や燃費は向上している。
エンジンの排気量は先代から2割もアップしたものの、最高出力は300PSから275PSに、最大トルクは400N・mから375N・mにダウン。しかし、実質的な加速性能や燃費は向上している。拡大
「STI Sport R」「STI Sport R EX」にはドライブモードセレクトが搭載される。ステアリングホイールの右側スポークには、リムから手を離すことなく切り替え操作をするためのスイッチが配置されている。
「STI Sport R」「STI Sport R EX」にはドライブモードセレクトが搭載される。ステアリングホイールの右側スポークには、リムから手を離すことなく切り替え操作をするためのスイッチが配置されている。拡大
「STI Sport R」「STI Sport R EX」グレードにオプション設定されているレカロシートには、専用のシートバックおよびクッション構造が採用されている。写真はそのカットモデル。
「STI Sport R」「STI Sport R EX」グレードにオプション設定されているレカロシートには、専用のシートバックおよびクッション構造が採用されている。写真はそのカットモデル。拡大
新型「スバルWRX S4」は、スタンダード仕様の「GT-H」と走りの機能を際立たせた「STI Sport R」のほか、それぞれに運転支援システムなど装備を追加した「GT-H EX」「STI Sport R EX」を加えた4グレード構成となっている。
新型「スバルWRX S4」は、スタンダード仕様の「GT-H」と走りの機能を際立たせた「STI Sport R」のほか、それぞれに運転支援システムなど装備を追加した「GT-H EX」「STI Sport R EX」を加えた4グレード構成となっている。拡大

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確かに

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