米ロックバンドのニルヴァーナが、1991年に発表したアルバム『ネヴァーマインド』のジャケット写真をめぐり告訴された。訴えを起こしたのは、当時生後4か月で同アルバムのジャケットに全裸で登場したスペンサー・エルデンさんで、「性的に搾取された」と主張しているという。ただ、男性は成長してからも、ジャケットのイメージを再現した写真をたびたび撮影していたことがあり、ネット上では「今さら?」「金目当てか」など様々な声が飛び交っている。
アルバム『ネヴァーマインド』のジャケット写真(※画像を一部編集しています)
「精神的苦痛を受けた」30歳になった“裸の赤ちゃん”が訴え
ロック史に残る傑作といわれているニルヴァーナの『ネヴァーマインド』。全裸の赤ちゃんが、プールの中で1ドル札を捕えようとしているジャケット写真が印象的なこちらのアルバム。全世界で3000万枚を売り上げ、大ヒットを記録した。しかし、発売から30年経った今、そのジャケット写真が問題となっている。 生後4か月で写真に登場したエルデンさんが、今月24日(現地時間)、ニルヴァーナに対し訴えを起こしたのだ。現在30歳になるエルデンさんは、自分の両親はこの写真をジャケットに使用することに同意していなかったと主張。また局部が映り込んでいる写真そのものが、児童ポルノにあたると訴えている。米カリフォルニア州に提出された裁判文書には、こう記されている。 「
写真は、幼かった頃から現在にいたるまで、スペンサー氏の局部をさらし、性器をみだらなものとして表現している」 アメリカの法律では通常、性的ではない幼児の写真が児童ポルノと見なされることはないという。しかし、エルデンさんの弁護士ロバート・Y・ルイス氏は、写真に1ドル札があることで、赤ちゃんをまるでセックスワーカーのように見せていると訴えている。ちなみに、この1ドル札は、あとから追加されたイメージだという。 エルデンさんはさらに、ニルヴァーナはシールなどで局部を隠すと約束していたが、結局は隠さなかったと訴えている。 この作品によって「
これまで傷つけられ、これからも一生傷つくことになる」と訴えたエルデンさん。極端かつ永続的な精神的苦痛を受けた上、通常の成長過程と学力の向上が阻害され、医学的・心理的な治療を受ける必要が生じたと主張している。
米音楽界に衝撃を与えた伝説のアルバム『ネヴァーマインド』
ニルヴァーナ
左からデイヴ・グロール、カート・コバーン、クリス・ノヴォセリック
(※画像はニルヴァーナのボックス・セット「WITH THE LIGHTS OUT」・公式サイトより)
ニルヴァーナは1987年に結成し、1989年にデビュー。1991年にリリースしたセカンドアルバム『ネヴァーマインド』で大ブレークした。『スメルズ・ライク・ティーン・スピリット』『カム・アズ・ユー・アー』など数々の名曲が収録された同アルバムは、米音楽界に衝撃を与え、新たなムーブメントを巻き起こした。しかし、1994年にボーカルのカート・コバーンが自殺。その後、バンドは事実上解散した。 エルデンさんは今回、写真を撮影したカメラマンのカーク・ウェドル、カートの元妻コートニー・ラヴ、カートの遺産管理団体、そしてメンバーだったデイヴ・グロールとクリス・ノヴォセリックら、
15人の被告それぞれに15万ドル(約1700万円)の賠償金を求めている。 この訴えに関して、バンドの広報やレーベルは現段階でコメントを発表していない。
かつてはノリノリで再現写真を撮影していたが……
エルデンさんが、ここに来て訴えを起こしたことについて、ネット上では様々な反応が寄せられている。 実はエルデンさん、同アルバムの10周年、20周年、25周年という節目に、ジャケット写真の再現ショットを撮影している。自身が25歳になった2016年には、水着を着用して、当時と同じポーズで撮影。その後のインタビューで、「裸で撮ったら面白いんじゃない? と提案してみたけど、カメラマンに却下されちゃった」とノリノリで撮影していたことを明かしていた。
それだけにネットでは、「『あの赤ちゃんは俺だぜ!』って自慢してたくせに」「嬉しそうに再現ショット撮ってたじゃん」「今さら訴えるなんて金目当て?」など疑問や批判的な意見が多くみられた。一方で、「問題なのはこの人の親では」「今さらではあるけど、性的搾取については考えないといけないと思う」「児童の性的搾取が絡んでいるのに、金目当てと断言するのはどうかと思う」など、エルデンさんに一定の理解を示す声もあるようだ。
約5年前のインタビューでは「あの写真にムカついている」と発言
この写真をめぐっては、200ドルの報酬がエルデンさんの両親に払われたものの、被写体である本人には何ら見返りがなかったといわれている。そうしたこともあってか、エルデンさんはこれまで、写真については複雑な心境をのぞかせていた。 2015年のインタビューでは、自分が“ニルヴァーナ・ベイビー”だったおかげで、著名なアーティストと仕事する機会を得ることができた、と明かしたうえで、「
あの作品は自分にとって、扉を開いてくれる前向きなもの」と述べていた。 一方で「
多くの人たちが、自分の赤ちゃんだった頃の局部を見ているんだなと思ってしまう」と複雑な思いを吐露したことも。 また2016年のインタビューでは、「
正直なところ、あの写真にムカついている」と発言。以前はあの写真をクールだと思っていたけれど、「最近その考えが変わってきた」とも語っていた。エルデンさんは同じインタビューのなかで、自身が手掛けるアートイベントへの参加を呼び掛けるために、ニルヴァーナのメンバーと連絡を取ろうとしたが、「マネージャーか弁護士に連絡するように言われた」と明かし、その対応に不満だったことをほのめかしている。 長い間、写真に複雑な思いや葛藤を抱えてきたというエルデンさんだが、2016年あたりを境に、何らかの心境の変化があったようだ。 <文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
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