米首都ワシントンの連邦議会議事堂で2日午後1時(日本時間3日午前2時)ごろ、敷地内に侵入しようとした乗用車が警備中の警官たちに突っ込み、運転していた男が刃物を振り回す事件があった。議会警察の警官1人が死亡し、1人が負傷。容疑者は警官に撃たれて死亡した。
BBCの提携局CBSニュースは捜査筋の話として、議事堂敷地内に侵入しようとしたのはインディアナ州在住のノア・グリーン容疑者(25)だと伝えた。警察のデータベースに同容疑者について事前の情報は記録されていないという。
捜査当局は、この日の攻撃はテロ関連ではないようだとしている。
約3カ月前の今年1月6日には、ドナルド・トランプ前大統領の支持者らが、ジョー・バイデン現大統領の勝利認定を阻止しようと連邦議会を襲撃した。
ワシントン市警のロバート・コンティー本部長代行は記者会見で、「攻撃の目標が警察だったのか、それ以外だったのか、いずれにしろ真相を究明する責任があるので、そうするつもりだ」と述べた。容疑者は単独犯だった様子という。
議会警察のヨガナンダ・ピットマン本部長代行は会見で、「実につらいことながら、私たちの仲間の警官が1人、受けた傷が原因で息を引き取った」と明らかにした。
ピットマン氏は後に声明で、死亡した警官は議会警察で勤続18年の、「ビリー」ことウィリアム・エヴァンズ警官で、機動対応チームの1人だったと説明。「エヴァンズ警官と彼の家族を思い、祈ってください」と呼びかけた。
事件で何が
現地時間午後1時すぎ、議会警察は警報システムを通じて議員やスタッフに緊急メールを一斉送信。危険な状態が発生したため、屋内にいる人は窓や扉から離れ、屋外の人は身を隠すように指示した。
警察によるとその直前に、青い乗用車を運転する男が、北側のバリケードを警備していた警官2人に車ごと突入した。男は車を降りると警官たちに向かって突進し、少なくとも1人の警官が男を銃撃した。
警察によると、容疑者は午後1時半に死亡した。
連邦捜査局(FBI)ワシントン事務所は、議会警察の捜査に協力していると明らかにした。
フェイスブックに書き込み
容疑者とされる男性は3月半ば、フェイスブックに仕事を辞めたばかりだと書いていた。すでに削除されたこのページについて、フェイスブック社の広報担当はBBCに、確かに容疑者とされる男性のものだと確認した。
その中で男性は、自分が仕事を辞めた理由について「病気が理由の一部だが、究極的には魂の旅路を求めてのことだ」と書いていた。加えて、「知らないうちに摂取していた薬の副作用」で苦しんでいると書いたほか、黒人ナショナリズムを掲げる宗教組織「ネイション・オブ・イスラム」に対する強い関心についてしきりに書きつづっていた。
フェイスブックは、「この恐ろしい出来事を受けて、私たちは議会警察とその愛する人たちのことを思っている」と声明を発表。「私たちはこの事件を、弊社の『危険な人物および団体』方針の対象に指定しました。つまり、容疑者のアカウントをフェイスブックとインスタグラムから削除し、この攻撃や容疑者を称賛したり支持したり、代弁したりするコンテンツをすべて削除している」と説明し、捜査当局と連絡を取り合っていると述べた。
1月6日の議会襲撃以降、増強された議事堂周辺の警備は、現在も続いている。
連邦議会は現在、休会中。そのため事件当時、議事堂内に議員はほとんどいなかった。
「民主主義のため殉職」
事件を受けてジョー・バイデン米大統領は、「激しい攻撃について知り、とても悲しんでいる」とコメント。「エヴァンズ警官の家族と、彼の死を悲しむ全ての人に心からお悔やみを申し上げる」と述べ、ホワイトハウスに追悼の半旗を掲げるよう支持したと明らかにした。
野党・共和党幹部のミッチ・マコネル上院院内総務は、「エヴァンズ警官が任務中に殺害され、心から悲しんでいる」と書き、キリスト教の復活祭(イースター)を前にした「聖金曜日の今日、助かった警官やエヴァンズ警官の家族、議会警察のすべての警官や家族のために、みな祈りましょう」と呼びかけた。
からの記事と詳細 ( 米連邦議会の検問に車突入 容疑者と警官が死亡 - BBCニュース )
https://ift.tt/3wxUPfk
確かに
No comments:
Post a Comment