
東洋医学では春は「怒り」の感情が湧きやすい季節と言われています。確かに、春は入社や転勤、異動、入学、クラス替えなどの環境の変化が引き金となり、イライラなど怒りの感情が起こりやすい時期かもしれません。何かとストレスが溜まりやすいこの季節、怒りの感情との上手な付き合い方を臨床心理士である筆者がアドバイスします。 【関連画像】臨床心理士が教える「怒り」との付き合い方3つのパターン
怒りと上手に付き合っていくために
怒りとの付き合い方で大切なポイントは、怒りについて「問題を知る」「現実的な目標を設定する」「対処法を実践する」というステップを踏むこと。ヨガに例えるなら、基本となるアーサナを飛ばしていきなり高度なアドバンスポーズにチャレンジする、あるいは基本となる呼吸法や瞑想をやらずにアーサナばかり行う…なんてことはしませんよね?怒りとの付き合い方にも同じことが言えます。怒りと付き合っていくにも下準備が大切なのです。
怒りって実は健康的な感情?
怒りは誰にでも起こる感情であり、大切な感情のひとつ。なぜなら、怒りがやる気やモチベーションにつながる、カタルシス(浄化)効果を生み出す、自分の価値観に気づくことができるなどのメリットがあるからです。ところが、怒りが攻撃的・暴力的になり、それによって周囲を傷つける、あるいは自罰的になってしまう場合は注意が必要です。適切に怒りを表現するために、まずは自分の怒りについての整理を始めましょう。
怒りについて整理・情報収集してみよう
【怒りの集計日記をつける】 怒りを感じる場面や出来事を記録し集計しましょう。自分の怒りを客観的に見ることができますし、怒りの対処に対して効果的だったものが増えていくと、怒りと上手に付き合うための助けになります。 〈怒りの集計日記の書き方〉 (1)怒りを感じた場面をノートあるいはスマホに1週間分記録します。 (2)怒りの引き金になった出来事が何だったのか、そしてその怒りに対して自分がどんな対処・行動を取ったのかも書けるようであれば書いておきましょう。 (3)一週間記録したら、振り返りましょう。冷静にいるために有効だった考え方や行動にチェックをしておきます。 【自分の身体を観察】 怒りを感じた時は、自分の体や表情、思考に意識を向け、それらがどのようになっているか観察しましょう。怒りを感じた時の身体的な特徴や思考を知っておくと、怒りのコントロールをする際にも役立ちます。 〈体や表情について〉 顔が赤くなり、熱を帯びる/心臓の鼓動が早くなっている/体全体が震えている/顎や口元のあたりがギュッと緊張している など 〈思考について〉 言葉が浮かんでこない、早口になったり会話をやめたくなる/相手に意地悪なことや不愉快にさせそうなことばかり考えている/問題解決に意識が向かない など 【怒りの温度計】 怒りの具合を温度に見立て、怒りを客観的に見ていく方法です。自分の怒りの具合を客観的に見つめるのに役立ちます。 〈怒りの温度計の使い方〉 (1)0度 冷たい/20度 ぬるい/40度 湯気が出る/60度 燃えるような/80度 焼けるような/100度 激烈 として、怒りのレベル設定をします。 (2)今感じている怒りの温度が何度なのか見ていきます。 (3)トラブルを避けるために、何度まで下げる必要があるかを自分に問いかけます。 自分の怒りについて知ろうとすることで、怒りと少し距離が生まれ、それだけでいつもより冷静になれるような気がしますよね。次回は怒りを対処するために必要な目標設定について取り上げます。 参考文献:Ronald T. Potter-Efron, Patricia S. Potter-Efron著 堀越勝,樫村正美 訳(2017)『30分でできる怒りのセルフコントロール』金剛出版 ライター/南舞 大学と大学院にて臨床心理学を専攻し、卒業後「臨床心理士」を取得。学生時代に趣味で始めたヨガだったが、周りと比べず自分と向き合っていくヨガの姿勢に、カウンセリングと近いものを感じ、ヨガ講師になることを決意。現在は臨床心理士としてカウンセリングをする傍ら、ヨガ講師としても活動している。
南舞
からの記事と詳細 ( 春になるとイライラしたり怒りの感情が湧きやすいのはなぜ?臨床心理士が考える【怒りとの付き合い方】(ヨガジャーナルオンライン) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース )
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確かに
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