
アニメージュプラスがお贈りする『アーヤと魔女』連続インタビュー企画、第1弾はスタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが登場。 アニメ化企画のスタート、そして図らずも時代とリンクした本作の魅力を語る貴重な肉声をお届けしよう。 ――まず「アーヤと魔女」をアニメ化することになった経緯からお聞かせいただけますか。 鈴木 毎月徳間書店の児童書の編集の方から、宮崎(駿)と僕に児童書の新刊を送っていただいているんですね。僕は不真面目で全然読まないんだけれど、宮崎駿というのはすごい人で、それの全部に目を通すんです。 で、4~5年前かな? 「鈴木さん、これ読んだ?」って「アーヤと魔女」を出してきた。「読んでないですけど」って言うと「絶対おもしろいから!」って言われたんです。それで僕も読んでみたら、確かにおもしろい。そう感想を伝えたら、宮さんは「これ、今の時代に合ってるよ」と。その頃、宮さんは今動かしている『君たちはどう生きるか』という企画に手をつけ始めていたんですが、「こっち(アーヤと魔女」)のほうがおもしろいかもしれない」って言い始めたわけです。 それである日、宮さんに「鈴木さん、どっちがいい?」って声をかけられた。彼、いつも僕に聞いてくるんですよ。それで僕は「『君たちはどう生きるか』のほうがいいんじゃないですか。『アーヤ』も確かにおもしろいけど、宮さんには『君たちはどう生きるか』のほうが合ってると思いますよ」と。 ――宮崎監督も「アーヤ」をアニメ化したいという思いを抱えていたんですね。 (C)2020 NHK, NEP, Studio Ghibli
そこで宮崎駿監督がとった行動は?
鈴木 それである時、宮さんが何を思ったのか、(宮崎)吾朗君を説得に行ったんです。「これをやれ!」と。 これまでの吾朗君の企画は、みんな宮さんに押し付けられた企画だったわけですよ。『ゲド戦記』、『コクリコ坂から』もそうだし、『山賊の娘ローニャ』っていうのも実を言うと宮崎駿が「おもしろいからやろう」ってずっと言ってた企画のひとつですから。今度こそ自分のオリジナル企画で、と動いている彼に、宮さんがまた本を押し付けたわけですから、彼は気分を悪くしたと思うんです(笑)。 ところが何故か、吾朗君がこの企画を「面白い」と思ってくれて、結局『アーヤと魔女』をやることになった、それが経緯ですよ。 ――今回3DCGで作るというのは鈴木さんからの提案だそうですが。 鈴木 そうです。日本では3DCG作品はなかなか成功していないので、吾朗君も当初は「セルルックでやりたい」と言っていたんですね。でも僕は「せっかく3Dで作ったものを手描き風に見せるっていうのはおもしろくないよ、日本初の本格的3DCG作品として世の中に問うたらどうか」って言ったんです。プロデューサーってそういう役割でしょう? ――ああ、クリエイターにいろんな挑戦を促すわけですね。 鈴木 ええ。新しい方法でチャレンジするっていうのは、クリエイターからしてみれば面白さよりも怖さのほうが勝るし、それを開発しながら映画を作ると、別の苦労も伴うわけです。だけど、そこを分かっている上であえて僕はけしかけたわけです。そうしたら吾朗君がしばらく考えたあとに「やります」って言ってくれました。 (C)2020 NHK, NEP, Studio Ghibli
アニメージュプラス 編集部
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確かに
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