日産自動車が11月12日に発表した2020年4~9月期の連結決算は、売上高が3兆926億円(前年同期比38.2%減)、営業損益が1587億円の赤字(前年同期316億円の黒字)、当期純損益が3299億円の赤字(同653億円の黒字)と、同業他社と比べてもその悪さが際立った。
しかし、冒頭に挨拶に立った内田誠社長は「事業を成長軌道に乗せる事業構造改革計画『日産ネクスト』は着実に進行している」と自信を見せた。しかも、事あるごとにその言葉を何度も強調した。
また、アシュワニ・グプタCOOは「そもそも日産ネクストとは、合理化であり持続的な成長だ。合理化でわれわれのキャパを販売台数に合わせる必要がある。バルセロナでの生産停止など、いろいろな判断をした。合理化と平行して、将来への種まきもした。新製品投入は予定通りに進んでいる」と説明する。
確かに7~9月期の最終赤字額は443億円と、4~6月期の2855億円から大幅に縮小している。これは世界生産能力の2割削減など構造改革を進め、固定費を前年同期比1割強減らしたことが大きかったと言っていいだろう。
しかし、肝心の自動車販売は低迷したままだ。なにしろ日産の7~9月期のグローバル販売台数は17%減の105万台で、トヨタ自動車(8%減)やホンダ(1%増)などと比べて落ち込みが大きい。これはカルロス・ゴーン時代に新型車への開発投資を怠り、米国を中心に値引き販売で規模を拡大させる戦略を取ったためだ。現在、その後遺症に苦しんでいるわけだ。
内田社長によると、その米国の状況も量から質への販売に転換が進んでいるという。フリート比率が20ポイント下がり、台当たりの販売奨励金が5%減、台当たりの販売価格が3%増、そしてティーラー在庫も28日減となっている。
「米国市場については、10月に発売した『ローグ』(SUV)が非常に好評だ。今後、米国ではローグを中心に新たな新車をどんどん出していく。それと同時に広告宣伝を多く打っていく。ただ、その効果が出てくるのは早くて第4四半期の終わり、もしくは来年度の第1四半期になってくると思う」と内田社長はもう少し様子を見てほしいという様子だった。
そして最後に「日産らしさを前向きに出して、日産はこんなものじゃないと、われわれのポテンシャルをお客さまの価値につなげるべく、会社を変えていきたい」と意気込みを示し、改めて「日産はこんなものじゃないと証明していく」と強調していた。
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November 13, 2020 at 08:10AM
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