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Friday, July 24, 2020

パントビスコ「1人の言葉が、表現者をつぶす」マルチクリエイターが語るSNSの怖さ(telling,) - Yahoo!ニュース

新刊「パントビスコ ここだけの話だよ。」を6月27日(土)に発売したばかりのマルチクリエイター・パントビスコさん。SNSで多くのフォロワーに支持される一方、なかには心ないコメントを送ってくる人もいるのだとか。SNSの使い方・付き合い方に対し、パントビスコさんからお話を聞きました。 【画像】マルチクリエイター・パントビスコ

本当に伝えたいことは、「パントビスコ」として発言する

――パントビスコさんの作品を見ていると、日常生活でなんとなく感じていたことが言語化されていることも多く、驚きます。情報のインプットはどのようにしていますか? パントビスコさん(以下、パントビスコ): インプットはほぼしていないです。おもしろい人はいっぱいいるので、それに影響されて同じようなことを描いたら、模倣になってしまいます。深層心理でオリジナルと思ってしまう危険性があるので、イラストレーターさんはなるべくフォローしないようにしています。あえてインプットはせず、なるべく他業種の方をフォローしていますね。作品は僕が考えたり体験したりしたことが元になっています。まったくゆかりのないことを付け焼刃で描いても、誰にも響かないですからね。 ――確かにマネしようと思わなくても、いいなと思ったものに影響されてしまうことってありますね。 パントビスコ: 年間1000本以上の作品を描いているので、たまに似たような作品が先に出ていることもあるんです。イラストに限らず、歌詞の一部だったり、芸人さんのネタだったり。すると、「どこどこの誰が言っていたやつですね」と伝えてくる方もいます。僕も負い目があればその通りだと思いますが、まったく知らない人の作品を出されると穏やかではない気持ちになるんです。 僕からすると、切り口や言葉が似ていても自分がゼロから考えたまったく違う作品です。どうしても、年間1000本以上作っているとどこかでそういうことがある。私の作家としての悩みのひとつです。 ――最近、SNSの使い方に関することをよく発信されています。キャラクターの言葉ではなく、ご自身の言葉として投稿されているのが印象的でした。 パントビスコ: これまでは、自分の意見を表に出さないようにしていたんです。ただ最近は人前に出ることも増えましたし、本人名義で責任を持って発信したほうが伝わるなと思うように考え方が変わりました。 自分の思いをキャラクターに託すと、制限が出てきてしまいます。短い言葉で端的に、ちょっと遠回しで伝えないといけない。そうすると違う伝わり方をしたり、伝えたい人に伝わらなかったりします。矢面に立つことは大変な部分もありますが、自分の言葉で伝えたいことはパントビスコとして発信することにしました。 ――自分の思いを発信することは怖いと思いませんでしたか? パントビスコ: もちろんそう思いますが、SNSのもっと怖いところは、フォロワーから表現者にダイレクトに言葉が届くことです。平気でタレントさんや表現者に、「死ね」とか「むかつく」などとDMを送る方がいます。昔だったら、テレビの前で野次を言っていたのが、今は本人に直接言えるようになってしまった。これは本当に怖いことです。

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