投資用マンションとして購入を決めたつもりが自宅として活用中
ゼネコン関連会社に勤める橋川康司さん(仮名・45歳)は7年前に購入した埼玉県内のマンションに住んでいる。「趣味といえば投資くらいで、全然物欲もない」という橋川さんの部屋。まるでマンスリーマンションのように必要最低限の家具や家電しかない。しかし、この自宅、元を辿ると自分が住むために購入したわけではない。 「昔から株やFXなど投資商品には全般的に関心があったので、知人に紹介された不動産業者に投資物件を勧められた際はすぐに興味を惹かれました。年収は750万円ほどですが、もう頭打ちなので心が揺らいでしまって。 しかも、『橋川さんは自宅を持っていないので、住宅ローンで融資を受けられます』って言われたんです。上場企業に勤めているので融資もつきやすい。自分は有利な立場で投資できると一気にテンションが上がったのを覚えています。しかも、検索してみると勧められた物件は近隣相場よりも安めの価格設定。これはお宝が舞い込んだと確信して、購入を決めました」 ただし、投資用物件の住宅ローン利用はそもそもご法度。不動産業者はそれを知りながら橋川さんに勧めたのだから悪質だ。 「それでも最初はきちんと入居者がいて、ローン返済額を上回る月9万円近い家賃収入があったので安心していました。でも、その世帯が転出してしまってから2か月以上、空室に。実は物件価格が安かったのにはワケがあって、車がないと不便なエリアなのに駐車場がないため、敬遠されていたんです。収入がないのにローン返済はずっと続く……そういった状況に陥って、初めて不動産投資の怖さを思い知りました」 その後、新たな入居者は決まったものの、2年もたたずに転出することが決まった際に橋川さんはついに決断を下すことに。 「都内で借りていた賃貸物件は引き払って、もうこの物件に自分で住んじゃうことに決めたんです。ちょうどフラット35の不正利用が問題視され、本格的な調査が行われるというニュースを目にしたことも背中を押しました」 都心の勤務先まで所要時間は約100分。長時間の通勤電車は体に堪えるが、「家賃はかからないし、不安を抱えながら貸すよりかはマシなので現在の自己採点は40点」と橋川さんは力なく笑う。 === <橋川さんの詳細> 年収 750万円 購入金額 2000万円 ローン期間 20年 月々の返済額 7万5000円 築年数 10年 延べ床面積 43.78㎡ 最寄り駅から徒歩 17分
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June 29, 2020 at 01:54PM
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