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Tuesday, May 5, 2020

睡眠研究の権威が惚れた。「最高の枕」を実現する素材の正体|ニュースイッチ by 日刊工業新聞社 - ニュースイッチ Newswitch

ブレインスリープ代表取締役を務めるスタンフォード大学医学部精神科の西野精治教授

日本人の睡眠不足が問題視され、より良い睡眠を促す製品を扱う睡眠ビジネスが盛り上がっている。また、十分な睡眠の取得は猛威を振るう新型コロナウイルス感染症の予防策の一つとして指摘される。そうした中で、ベストセラー書籍『スタンフォード式最高の睡眠』の著者として知られるスタンフォード大学医学部精神科の西野精治教授が立ち上げたブレインスリープ(※1、東京都千代田区)が、第1弾商品として「最高の睡眠」を促す枕「ブレインスリープピロー」を5月に発売する。クラウドファンディングで3-4月に行った予約販売では目標金額100万円に対し、1600%超の1660万円という支持を得た。西野教授に「ブレインスリープピロー」の開発に込めた思いを聞いた。 ―ブレインスリープの第一弾商品として「枕」を開発した理由を教えてください。  科学的な裏付けがある製品を提供し、一般の人の睡眠をよくしたいと思って、まずは手軽な枕を手がけようと決めた。睡眠の領域では誤った認識が多く広がっている。枕も科学的には必ずしもよい影響が出ないと思われる製品がある。 ―具体的には。  例えば、私が実際にホテルで使ったのだが、ウレタンで作られた頭が沈み込む枕に疑問を感じた。確かにフィット感はあるが、頭に熱がこもるようになり、体温調節の観点で睡眠に悪影響が出る。 睡眠と体温は非常に関係している。(身体の中の温度である)深部体温は昼が高くて夜に低くなり、眠くなる。頭の温度も同様だ。だから基本的に枕は熱がこもらず、熱放散を促し、頭の温度を下げる機能が望まれる。 ―だから今回の製品は通気性を重視されたのですね。  通気性のよい枕はすでに発売されているが、高反発の製品が多い。いくつか試したが、頭がフィットせず、寝ている間に頭が枕から外れ落ちているということがよくあった。そこで通気性と低反発のよさを両立させた枕を作りたいと考えた。 ―そうした製品を開発するため、エコワールド(大分県玖珠町)と協業されました。  エコワールドは主にポリエチレン樹脂を使用し、編み込んで作った素材を独自に開発している。この素材によって通気性を確保しつつ、形や柔らかさを自由自在に作ることができる。(ブレインスリープピローは頭部をフィットさせたり体圧を分散させたりするため、縦は3層構造、横は5段階のグラデーション構造だが)それぞれの層の硬さを最適化できる。材料としては100%再生できることも利点だ。 ある企業の方々と枕について議論していたときに紹介され、実際に会社を訪問して(独自素材について)説明を受けた。私たちが考えている枕に最適な素材だと思い、協業した。 ―完成品の満足度はいかがですか。  2―3週間使ってみて、今までの中で自分としては最高ではないかと思う。ただ、正直に言うと個人的にはもう少し厚みがあった方がよい。一方で妻は十分に厚いという。男女差やそれぞれの好みもあり、一つの製品が万人にフィットするのは難しいだろう。本来は4―6種類くらいのタイプを用意したい。他にもアイデアがあるので、今回販売して人気が出たら開発しようと動き始めている。 ―クラウドファンディングサイト「マクアケ」で3―4月に予約販売を行い、大きな反響がありました。  私は結構、小心者なので実際に使ってみてからの声を一番心配している。マーケティング段階で強い反響はあったが、長く使った後の購入者の声を聞きたい。 ―西野教授は寝具メーカーのエアウィーヴ(東京都中央区)とマットレスを共同開発されています。その中でブレインスリープを立ち上げた理由を改めて教えてください。  睡眠の重要性を知り、寝具に関心を持ってもらうためには(睡眠ビジネスの)底上げが大切だ。マットレスについては全体として底上げが図られたと思うし、サプリメント(栄養補助食品)でも同様の傾向があり、さらに盛り上げたい。その中で、米国や日本の企業から(睡眠ビジネスについて)相談されることが多くあり、ある会社の技術と別の会社の技術が融合できるとよいと思うことがあった。そこに私の専門的な知識を入れて製品化できたらよいと思い、設立した。 もう一つ大切なことは睡眠ビジネスが流行し、睡眠改善プログラムなどが登場しているが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などの疾患はそうしたプログラムでは改善せず、適切な治療が必要になる。そうした面を含めて睡眠に関わる正しい知識を啓発したいと考えた。 ―枕以外に関心のある製品はありますか。  製品化するか否かは未定だが、ここ10年間は高齢者の睡眠のモニタリングに関心がある。高齢になり、多様な疾患リスクが高くなる中で、睡眠は疾患の兆候が反映されるため、介護施設などで遠隔モニタリングできるとかなり有用だと思う。技術的にも決して難しくない。すでにモニタリングできる製品はあるが、遠隔で見られないとか、センサーに弱点があるとか、いくつかの問題を抱えている。 ―今後の先生やブレインスリープの活動の展望を教えてください。  スリープテックが注目を集めており、少なくとも睡眠の重要性が認識され始めたのは間違いない。ただ、ブームでは困る。私は人生の半分以上、睡眠を研究してきた。それによって得た知見を使って社会貢献したい。若くはないので儲けることには興味がない。世の中に役立ちたいというのが本音だ。

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