マヌエル・エンリケス「面会する大友義鎮とフランシスコ・ザビエル」
本日(2024年6月19日)放送の『歴史探偵』(NHK総合:午後10:00〜午後10:45、再放送:6月25日(火) 午後11:50〜午前0:35)に、「戦国ご当地大名シリーズ」一番手として登場する、豊後のキリシタン大名・大友宗麟。
日本史においていわゆる「天下統一」に貢献したわけでもない、日本の複数の戦国大名のなかで必ずしも人気が高いわけでもない大友義鎮が、なぜ一番手?
番組にも登場する鹿毛敏夫さんの著書『世界史の中の戦国大名』では、ヨーロッパに現存する絵画から、日本史だけではわからない大友義鎮の「知られざる貌」が明かされます。
【※本記事は、鹿毛敏夫『世界史の中の戦国大名』から抜粋・編集したものです。】
大友義鎮(宗麟)を描いた絵画史料は、ヨーロッパ諸国で複数確認できる。
ベルギーの首都ブリュッセルとアントワープの中間に、メッヘレンという町がある。現在は、人口8万人程度のこぢんまりとした都市だが、1506年からの25年間、ここはネーデルラントの首都としてヨーロッパの政治、文化、芸術の中心であった。
この町のイエズス会教会、聖ペテロ・パウロ教会に、ルーベンスの弟子といわれるルーカス・フランソワ・ヤングという画家が1681年に描いた、これまで日本で紹介されたことのない作品がある。
作品の傷みと褪色が激しいため、構図の細部まで読み取ることは困難だが、画面中央やや右寄り壇上の椅子に、王冠を着け豪華な衣装をまとった豊後王=大友義鎮が座り、その右手の椅子に黒い衣装を着たザビエルが座って、右手を手前に差し出しながら何かを説明しようとしている。
ところが、画面左側では6~7人の僧侶が王の足下まで詰め寄って、ある者はザビエルを指さし、またある者は左手を天に突き上げてザビエルの説教に抗議している。背後に見える王宮の窓の外には、豊後の青空と白い雲が描かれており、この場所は、フランソワが想像する豊後王の宮殿=大友義鎮の館だろう。
また同教会にはもう1点、「豊後王に自らの使命を説明するフランシスコ・ザビエル」と題するジャン・ミシェル・デ・コクシーの作品もある。
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