天草市河浦町の資料館「天草コレジヨ館」で、住民らから寄贈されたキリシタン関連資料を紹介する展覧会が開かれている。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の世界文化遺産登録5年を記念したもので、フランシスコ・ザビエルの肖像画(重要文化財)のもとになったとされる版画を収めた伝記など、32点を公開している。
展示されているザビエル伝は、フランスで1607年に刊行された版。両手を胸の前で交差して斜め上を見つめる構図は、教科書などでおなじみの有名な肖像画(神戸市立博物館蔵)と共通している。肖像画は江戸時代初期に、この版画を参考にして日本で描かれたとみられるという。
西洋で作られた日本地図も紹介。1586年にスイスで発行された地図は、「Amacusa」(天草)、「Xiqui」(苓北町志岐)という地名の記載がある。天草は離島として描かれる一方、志岐は本州と地続きになった九州の沿岸となっている。1752年の地図では天草の都市として「Fondo」(天草市本渡町)の記載がある。
1582年に九州から派遣された天正遣欧少年使節が、ローマ教皇に謁見したことを記念して作られたメダルは、伊東マンショら4人が海を渡って来たことで、欧州で当時起こった日本ブームを伝えている。4人は帰国後、天草にあった神父を養成するコレジヨ(大神学校)で学んだ。
地元から寄贈を受けた展示品もある。19世紀頃のギヤマングラスは江戸時代に庄屋を務めた家に伝えられてきたもので、市内の他の地域でも似たガラス製品が確認されている。幕末ごろ長崎の外国人居留地で購入した可能性があるという。
同市の中山圭学芸員は、「ここ数年で新たに寄贈された資料を展示した。企画展以外ではなかなか見られないので、ぜひ足を運んでほしい」と話している。
8月30日まで。開館は午前8時30分~午後5時(最終入館午後4時30分)。入館料は一般300円など。原則木曜休館。問い合わせは同館( 0969・76・0388 )へ。
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