大井川鉄道のC12形164号機(現在は休車中)(筆者撮影)
鉄道車両の寿命は用途や状況によって結構な差がでるが、大体30年〜50年くらいだ。その寿命の中で、使命を全うした車両の大半は廃車、のちに解体され、姿を残すことは少ない。
しかし、都会で育った車両の中には地方に譲渡され、再び輸送の使命を続ける車両もあり、一部では後世に受け継がれる財産として、保存されている車両もある。
「静態保存」と「動態保存」
鉄道車両の保存方法は大きく分けて、「静態保存」と「動態保存」に分かれる。「静態保存」は、文字通り静かな状態で保存されていることであり、動くことがなく、形としてのみ保存されている。鉄道博物館や全国各地の公園などで、説明書が書かれたパネルと共に設置されていることが多い。もちろん走行に必要な電動機や動力装置は使えず、あくまで歴史教科書の1ページのように実物を展示し、外観や車内などを見学できるようになっている。
一方、「動態保存」は、動く状態が保たれており、有名なところでいうと、JR東日本のD51 498号機(ぐんま車両センター)や、大井川鉄道や東武鉄道のC11などの蒸気機関車だろう。蒸気機関車以外では、上毛電気鉄道のデハ100型電車(101号車)や、えちごトキめき鉄道の455・413系、東武鉄道の8000系8111編成なども動態保存車両で、普段の運行には入らず、イベントや臨時列車などで使用されている。
鉄道愛好家にとっては、懐かしい車両が動く状態で保存されるのは喜ばしいことだが、古い車両を維持していくには、多額の費用がかかる。現在では入手不可能な部品が使われていることが多く、壊れてしまえば新たに作るしかない。
古い車両を若い世代への技術伝承として活用している鉄道事業者もあるが、多くの場合、維持するための予算が問題となっている。そのため、クラウドファンディングや、観光資源として行政の力を借り、動態保存を行っている例もある。
また、稼働させない静態保存に関しても、腐食や塗装の劣化などを防ぐために屋根を設置するだけでなく、定期的な補修や清掃も欠かすことができないため、予算の捻出に苦労する自治体も多い。
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