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Saturday, August 13, 2022

「なろう系」で有名な日本最大級の小説投稿サイト『小説家になろう』は枚方の会社。中の人にインタビューしてきた - 枚方つーしん

俺は平凡な高校2年生。
ある日、道路に飛び出した子どもを助けようとしたところ、トラックに轢かれちまって俺は死んだ。
……と思ったんだけど。あれ、どこだここ。 
え、もしかして…俺って異世界に転生しちゃった!??
きたる異世界転生の日に備えて修行に励むイメージ図(のガーサン)



……ていう感じの展開のお話、ひとつくらい聞いたことがあるんじゃないでしょうか?

そう、上記のような異世界転生モノをはじめ、「主人公最強系」や「作品名がやたら長い系」などなど、これらの作品を総称し巷で親しみを込めて呼ばれているのが、
いわゆる「なろう系」という創作ジャンル!


「なろう系」の起原となったのは、日本最大級のWeb小説投稿サイト『小説家になろう』から生まれた作品たち。

異世界での戦いに備えてエネルギーを溜めるイメージ図(のガーサン)

今となっては「なろう系」はひとつの確立されたジャンルとして指すことが多いので、一概に小説家になろう作品=なろう系というわけではありません。
とはいえ「なろう系」と言われたら「小説家になろう」を思い浮かべる人がほとんどなのではないでしょうか。


という感じで前置きがめっちゃ長くなってしまいましたが!
そんな「小説家になろう」の運営会社が、
枚方にあるって知ってましたか……?(特に意味のない神妙感)

「そんなすごい会社が枚方にあるならなんか話してみたい」という、ゆるいノリでダメ元ながら運営会社「ヒナプロジェクト」さんにお願いしてみたところ…

ふつうにOKをもらいました。笑 言ってみてよかった!

枚方市大垣内町にある株式会社ヒナプロジェクトさん本社

そんなわけで!今回の記事は
「小説家になろう」×「ひらつー」なインタビュー企画!

ヒナプロジェクト代表取締役の平井幸さんに(以下、平井さん)
タメになること、そうでもないこと、いろんな視点で質問してきましたのでぜひ最後までどうぞー!

小説家になろうってどんなサイト?

ひらつー:
はじめまして、今日はよろしくお願いします〜!まず「小説家になろう」ってどんなサイトなのか、お聞かせください。

ひらつーのはらだとゆうぽん。ちなみにカメラマンはすどん

平井さん

「小説家になろう」は、創業者が個人運営するサイトとして2004年に生まれた小説投稿サイトです。2010年に法人化し、現在の運営体制になりました。
「小説家になろう」では誰でも自由に小説を発表したり、投稿された作品を無料で読んだりすることができ、今では月間PV数が約20億にもなるプラットフォームになりました。

ひらつー:
月間20億PV!?数字が大きすぎて逆にぴんと来ないんですが(笑)、ひらつーの月間PV数が約300万なので、だいたい700倍くらい…? もう想像できないくらいのすごさです。
一日の中で、もっとも訪問者が多いピークは何時くらいなんでしょうか?

ヒナプロジェクトのスタッフさんたち

平井さん

やっぱりスキマ時間に読まれることが多いので、朝の通勤時とかお昼時ですかね。あとは深夜の時間帯は読む方もそうですけど書かれる方も多い印象ですね。

「なろう系」人気のヒミツは?

ひらつー:
小説家になろう発の作品は書籍化やアニメ化などメディアミックスされた有名作品もたくさんあると思うんですが、その中でも代表的な作品を教えてください。

平井さん

そうですね、いろいろあるんですけども、やっぱり代表的なものといわれると「Re:ゼロから始める異世界生活」「転生したらスライムだった件」などですかね。この2作品はかなり早い段階から広まっていった印象はあります。

平井さん

あと最近だと「無職転生 ~異世界行ったら本気だすもアニメ化するなど反響が大きいですね。

ヒナプロジェクトさんの会社に展示されていた「無職転生」

ひらつー:
小説を読んでいなくても、アニメとか漫画が好きな層なら誰でも知ってるような有名なタイトルばかりですね!
今挙げていただいた作品は、いわゆる「なろう系」と呼ばれるジャンルが生まれたきっかけにもなるような代表作ですよね。「なろう系」人気の理由ってなんなんでしょう?

平井さん

「なろう系」というと異世界転生モノを想像すると思うんですが、小説家になろうにはさまざまなジャンルの作品があるので一概にひとくくりにはできないんですけども、あえて申し上げますと『書きやすさ』ということなのかなと思います。

主人公が異世界に転生するというパターンがある程度出来上がっていて、その流れに沿って書けば、それらしいものが出来上がるっていうところ。そういう点ではやっぱり書き手にとっては心強いのかなと思いますね。

小説は書き手が増えないと作品も増えませんし、もちろん読み手も増えませんから。そういった意味でジャンルがどんどん広がっていったのが、一番の理由かなと思っています。

小説家になろうラジオ

中の人たちの仕事って?

ひらつー:
スタッフさんたちは日々小説家になろうの運営に携わっていらっしゃると思うんですが、中でもいちばん大変なことってなんですか?

平井さん

部署によって違ってくるんですが、やはりユーザーからの問い合わせ対応や作品の管理などですかね。

エントランスには書籍化された本がずらり

ひらつー:
なるほど。では、今まで運営してきたうえで最も印象に残った出来事があれば教えてください。

平井さん

そこはもう、完全にスマホの登場です(笑)
最初はガラケーとPCだけだったところにスマホが出てきて、最初は「こんなの絶対広まらないだろ」って声もあったかと思うんですけど、それが徐々に「どうやらこれは普及するらしいぞ」ってなって(笑)

ひらつー:
確かに、スマホの登場は衝撃的でしたよね!対応化はやはり大変だったんでしょうか。

いつになく真剣に話を聞くはらだ

平井さん

そうですね、できるだけ早く対応しようってことで、開発面でも急ぎで取り組みましたね。
やっぱりスマホの方が格段に多くの情報量を取り扱えるので、ガラケー以上に見せ方っていうところが重要だったなっていう印象はあります。より読みやすい表示方法を模索したり、書きやすい入力方法を調整したりだとかですね。

書籍のとなりに映っているのは、有名声優の宮野真守さんと小野大輔さんのサイン。すご…!

ひらつー:
次はちょっとふざけた質問で恐縮なんですけど…。

平井さん

どうぞどうぞ(笑)

ひらつー:
「異世界転生したい」って、思ったことはありますか…?

平井さん

まぁ、ありますよ(笑)
例えばミスして落ち込んだ帰り道とか、「あ〜異世界転生したいな」みたいな。
あと、朝起きて「今日はやっかいな仕事があるな」って思った時とか。全てリセットしてチートとかもらいたいなーって思うことはあります。

ひらつー:
ですよね(笑)僕らも「時間巻き戻らないかなー」とかはしょっちゅう思いますね。そう考えると、なんの変哲もない人間が異世界転生して無双する設定って、普通の人間の内なる欲求を体現しているようでちょっと興味深いですね。

平井さん

そうかもしれませんね(笑)

枚方とはどんな関わりがあるの?

ひらつー:
そもそもなんですけど、会社が枚方にあるっていうのは何か理由があるんでしょうか?

平井さん

単純に、創業者がもともと枚方に住んでいまして。会社を移転する際どこにしようかってなったときに、枚方がいいんじゃないかと。特急とかも停まって立地的にも便利ですからね。

取材中、「レース形に日焼けしてたらおもろいのにな」って思ってすどんが撮ったんだとか。ヒマなの?

ひらつー:
そうだったんですか…!では枚方とは縁が深いということですね。働いているスタッフさん達は基本的に大阪府内の人が多いんでしょうか?

平井さん

そうですね…府内が多いですけれども、なんならスタッフの半分くらいは枚方に住んでるんじゃないですかね?会社から徒歩5分圏内のスタッフもいますし。

ひらつー:
えっ!?枚方在住のスタッフさんが半分もいるんですか。意外です。
ってことは、小説家になろうは半分枚方市民の手によって運営されている、といっても過言ではないのでは…。

平井さん

まぁ、間違いではないですね(笑)
弊社では会社から2km圏内に住むスタッフに対して家賃補助があるので、近くに住んでいるスタッフが多いですね。
あと、公共交通機関を使って90分以上通勤時間がかかる場合は引越し費用を補助する制度がありますので、入社を機に枚方に引っ越してきたっていうスタッフもいます。

ひらつー:
なんと!枚方市の人口を増やす一端も担っているわけですね。すごい…!
ではスタッフさんたちが枚方でよく利用するお店とかってあったりするんでしょうか?

平井さん

やっぱり会社が枚方市駅から近いですので、市駅前のお店が多いんじゃないでしょうか。あとT-SITEさんの存在は心強いですよね。なんでも一通り揃う感じで。
個人的には8階の小籠包のお店とかよく利用しています。

今後やりたいことは?

ひらつー:
小説家になろうの今後の課題などはありますか?

平井さん

やはり、より多くの人に読んでもらいやすいようなサイトづくりですね。
ありがたいことに日々多くの小説が投稿されていて、作品数もかなり膨大になりつつあります。多すぎてどれを読んだらいいのかわからないという人もいらっしゃると思うので、そこをうまくマッチングさせると言いますか、読みたい人のニーズにあった作品をより細やかに届けられるような仕組みづくり。そういう点は今後の課題かなと思っています。

ひらつー:
枚方と絡めたコラボやイベントなどをやる可能性ってあったりしますか?

平井さん

リアルのイベントとかはあまりやったことがないので、もしも機会があれば、とは思いますけど、今のところの予定はないですね。
でも例えば「転生したら枚方だった件」とか、そういうのあったら面白そうですよね(笑)

ひらつー:
すごいピンポイントですけど確実に枚方市民には刺さりますよね(笑)
枚方を盛り上げていくっていう視点ではめっちゃ面白そうです。ひらつーとしてもなにかコラボとかご一緒にできたら嬉しいなって思ってます…!

平井さん

そうですね、なにかいいアイディアあればぜひぜひご相談いただければ。

ひらつー:
では最後に、枚方市民になにかメッセージがあればお願いします。

平井さん

やっぱり小説を読む人がひとりでも増えれば嬉しいですね。Web小説でも、紙の本でもいいので。枚方の人たちにも、ぜひ文字に興味を持っていただきたいんだっていうところはどんどん発信していきたいと思っています。


ひらつー:
今日はありがとうございました!


いかがだったでしょうか?個人的にはすっごい興味深いお話ばかりで、それも噛み砕いてわかりやすく話してくださった印象でした。ありがたや。
小説家になろうのファンの方はもちろん、今まで知らなかったという人もこれを機に興味を持ってもらえたら幸い!

インタビュー中の会話にあったように、いつの日か面白いコラボが実現するかも?
そんな日を夢見つつ、私も小説を書いてみたい…そしていつか異世界転生してみたいと思います(違う)

以上、小説家になろう×ひらつーなインタビュー企画でした!

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