『万葉集』『源氏物語』『今昔物語集』『雪女』『舞姫』など、日本文学の名作には印象的で豊かな「闇」の場面が多い。
そんな日本文学の中に描かれている日本のやわらかい闇とやわらかい月の情景が実際どんなものだったかを探り、体験するのが体験作家・闇歩きガイドの中野純氏だ。
『闇で味わう日本文学: 失われた闇と月を求めて』(中野純著、徳間書院刊)では、中野氏が夜の小倉山登山から平安時代の肝試し跡地の散策、古の灯り・油火を身近なもので再現してみたシミュレーションまで、「闇」という物語装置にスポットを当て、五感をフルに活用して雰囲気を体感し、作品世界をより深く楽しむ新しいアプローチを紹介する。
闇といえば、闇の中を歩いて肝力を試す「肝試し」だろう。
その歴史は古い。平安時代後期、11世紀末までに成立されたとされる『大鏡』(作者未詳)は、歴史物語の最高傑作といわれている。190歳と180歳という長命の2人の男が、藤原道長を中心とした藤原氏の栄華を語っていく。この『大鏡』といえば「肝試し」だ。若き日の道長が兄弟と肝試しをする話が、高校の古典授業の定番になっている。「日本一有名な肝試し」と言えるかもしれない。
時は花山天皇の在位期間(984~986年)、五月闇の激しく雨が降る夜。帝の前で家臣が恐怖体験などを語っていると、道長が肝試しを買って出る。それに道長の兄の道隆と道兼が巻き込まれ、3人が肝試しをするというストーリーである。
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