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Sunday, May 22, 2022

尾道観光にエコな「足」…参入相次ぐ - 読売新聞オンライン

 県内有数の観光地の尾道市中心部で、新型コロナウイルス感染の落ち着きを見据え、環境に優しい乗り物を観光に活用する動きが進んでいる。観光客らをターゲットにした人力車や電気バイク、16人乗り自転車などを扱う業者が相次いで参入し、エコロジーな乗り物が競い合っている。(佐藤行彦)

 今年の大型連休中、尾道の海岸通りを走る人力車に多くの観光客の視線が集まった。尾道市新高山の建設会社が「新たな尾道散策のツールに」と1日から導入した「尾道人力車ええじゃん」。JR尾道駅前港湾緑地付近を基点に古くからの飲食店街・新開地区や、フェリーに乗船して対岸の向島を巡るコースなどを設定した。

 車夫が町の見所を説明しながら走り、担当者の向井豪佑さん(25)は「尾道は歴史あふれる町で、さらに人力車で有名な京都や浅草とは違って潮風も感じられる」と魅力を語る。

 同市土堂のホテルの一角には電気バイクのレンタルと販売を手がける「ONOMICHILL」が3月にオープンした。折りたためる重さ18キロの軽量電気バイクを6台用意。ミニバイクの運転免許証があればレンタルできる。

 代表の松本征也さん(32)は「体力に自信がない人でも気軽に仲間と走れる。千光寺山など坂道も楽に上がれ、女性どうしやカップルにも人気です」と話す。

 一方、瀬戸内しまなみ海道のサイクリングブームですっかり定着した自転車も変わり種が登場している。

 観光振興事業を手がける福山市の企業が昨年4月、海岸通りなどでオランダ製16人乗り自転車の運行を始めた。

 昨年はコロナ禍で利用が少なく、年末に自転車の座席に背もたれを付けて改良し「ICHIROKU ONOMICHI」と名付けた。地元の食酢メーカー見学などを組み込んだ新ツアーも開発。今年4月からは毎月16日に尾道市民に無料で乗車体験をしてもらい、周知を図っている。

 尾道本通り商店街には2月、電動アシスト自転車レンタル専門店「おのチャリ100」が開店した。花山仁石店長(49)は「しまなみ海道はもちろん、尾道の中心部をコンパクトに観光したい人もターゲットにしている」と期待を寄せる。

 また、尾道市は2019~21年、備三タクシー(尾道市)に委託し、小型電気自動車「グリーンスローモビリティ」を海岸通りで走らせる実証実験を重ねてきた。市政策企画課は「観光に加えて公共の交通手段としても価値がある。今年度以降の本格導入を前向きに検討している」とする。エコな乗り物の選択肢がますます広がりそうだ。

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