イギリス各地で18日、温帯低気圧「ユーニス」による暴風被害が相次ぎ、3人が死亡した。イギリスで数十年来の暴風災害となった。イギリスの3人を含め、欧州全体では19日までに少なくとも16人が死亡した。英政府は不要不急の外出を控えるよう呼びかけた。
低気圧「ユーニス」による強風は、ワイト島で最大風速約54メートルを暫定的に記録。イングランドの記録史上、最速の風だったと見られている。
この強風のため欧州北西部やイギリスの各地で、木が倒れたり家が崩れたりするなどの被害が相次いだ。学校の休校や交通機関の混乱が相次ぎ、数十万世帯が停電した。
アイルランドでは、ウェックスフォード県で60代男性が倒木のため亡くなった。オランダでは倒木で4人死亡。さらに、ポーランドで4人、ベルギーで2人、ドイツで2人が死亡した。
フランス北部では約30人が、嵐に関連する交通事故で負傷した。
イギリスではロンドン北部で30代の女性、南部ハンプシャーで20代の女性、イングランド北西部マージーサイドで50代の男性が、それぞれ死亡した。
警察によると、ロンドン北部ハイゲイトで18日午後4時ごろ、木が乗用車の上に倒れ、乗っていた女性が現場で死亡した。運転していた30代男性は病院に搬送された。
マージーサイドでは午後2時10分ごろ、走行中の車両のフロントガラスを風で飛ばされたがれきが直撃した。救急隊が急行したが、助手席に座っていた男性が死亡した。警察によると、運転手は無事だったという。
南部ハンプシャー・オルトンでは、風の勢いで木が軽トラックの運転席の上に倒れた。助手席の男性は現場で死亡が確認され、運転手の男性は重傷を負い病院へ運ばれた。
イギリスの各地で警察や救急隊への通報が相次ぎ、場所によっては命にかかわる事態でなければ通報を控えるよう当局が呼びかける事態となった。
ロンドン消防隊は、通報の急増を受けて重大事態を宣言。イングランド中南部の救急サービスも、緊急事態を宣言した。
イングランド中部ベッドフォードでは、赤ちゃん連れの女性が倒木で負傷した。赤ちゃんは無事だった。
イングランド南西部ウィルトシャーでは、倒木と自動車が衝突し、運転手と乗客2人が病院に搬送された。運転手は重体という。
ほかにもロンドン南部やロンドン西郊のヘンリー・オン・テムズで、複数の人が倒木やがれきで負傷した。
イギリス20万世帯が停電
英政府は同日、緊急治安特別閣議(COBRA)を開いた。ジョージ・ユースティス英環境相は閣議後、イギリスで約20万世帯が暴風の影響で停電したと明らかにした。加えて25万世帯が停電したものの、午後までに回復したという。
各地で有名な観光名所の建物が被害にあった。ロンドンで大規模イベント会場として有名な「O2アリーナ」のドーム屋根が大きく破損したほか、イングランド南西部サマセット・ウェルズの聖トマス教会の尖塔(せんとう)の先端が地面に落下した。
旅客機は欠航や遅延が相次ぎ、海路でも英ドーヴァーと仏カレーを結ぶフェリーが欠航した。
各地の線路が倒木やがれきでふさがれた影響で、複数の鉄道会社が運行を中止した。
南西部ウェールズ周辺では高速道路が通行止めになり、イングランド北部ヨークシャーとリンカンシャーを結ぶハンバー橋も同日午後には封鎖された。
イギリスでは16日にも、温帯低気圧「ダドリー」がスコットランドやイングランド北部、北アイルランドなどを直撃したばかり。
からの記事と詳細 ( 暴風のため欧州で少なくとも16人死亡 低気圧「ユーニス」 - BBCニュース )
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