オピニオン 2021年5月30日 (日) 大塚篤司(近畿大学医学部皮膚科主任教授)
火のないところにも煙はしっかり立つ。 苦しくも熱くもない悪意の煙が充満し、それがジワジワと酸素を奪っていく。 「ああ、これが白い巨塔か」 気がつけばぼくは燃えさかる炎の中に一人ポツンと取り残されていた。 良いチーム(医局)を作るため教授になると決めたぼくは、医者1年目からがむしゃらに働いた。 レジデント時代は臨床の腕を磨き、大学院生となってからは研究、大学スタッフに昇格した後は教育に力を入れた。 尊敬すべき指導者と出会い、良い仲間に恵まれ、後輩たちのサポートもあって、ぼくは順調に業績を積み上げた。 留学から帰ってしばらくすると 「先生はどこの教授選に出るんですか?」 と、医者仲間からダイレクトに聞かれることが多くなった。 「まだ若いですから」 聞かれたら穏やかに返す。40前の医者にとって教授選は明らかに早い。 それでも と、ぼくは内心思っていた。 このまま研究と臨床を頑張っていけば、近い将来に教授選の声がかかるかもしれない。 医者であれば誰もが一度は耳にしたことがある教授選だが、実際にどのように行われるかを知っている者は少ない。 実...
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確かに
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