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Sunday, May 23, 2021

飲食店だけを悪者にする日本の作戦に開いた大穴 - 東洋経済オンライン

空気感染を否定しクラスター対策になおも拘る

飲食業界は危機的状態。感染源の1つにはなったが、それ以外の手は十分に打てているのか(撮影:今井康一)

新型コロナウイルス(以下、コロナ)の流行が続いている。政府は緊急事態宣言を発令し、国民に対して、さまざまな規制を課している。本稿では、このような規制の妥当性を科学的見地から検証したい。

まずは、飲食店への規制だ。尾身茂コロナ感染症対策分科会会長は「飲食を介した場のリスクが一番高い(医療崩壊が全ての人にとって「他人事」ではない理由。尾身茂会長が避けたいと願う「最悪のシナリオ」/バズフィードジャパン/2020年12月30日)」、「昼間の飲食が増えている。(中略)社会全体が(宣言に)慣れてきて飲食を介して感染が増えている(「昼間の飲食が増えている」尾身氏、感染者下げ止まりの要因指摘/毎日新聞/3月10日配信)」と一貫して、飲食店での感染を問題視してきた。

飲食関係の感染源は「大多数ではない」

彼らが根拠とするのは、昨年11月にアメリカ・スタンフォード大学の研究チームがイギリス『ネイチャー』誌で発表した論文だ。この研究では昨年3~5月までのアメリカ主要都市を対象に、約9800万人の携帯電話の位置情報を用いて、どのような場所で感染が拡大したか分析している。もっとも危険だったのは飲食店、ついでスポーツジム、カフェ、ホテルだった。

確かに、飲食店での感染は問題だ。今年4月にもアメリカ・イリノイ州で、バーの新規開店イベントに参加した約100人のうち、46人が感染したクラスターの発生が報告されている。

しかしながら、コロナ対策が進んだ現在、飲食店が感染拡大に与える影響は限定的だ。例えば、昨年12月、ニューヨーク州での新規感染者の感染経路の4分の3は私的な集まりが原因で、飲食店は1.4%と報告されている。日本でも今年4月27日に厚生労働省の新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボードへ提出された資料では、4月のクラスター発生463件中、飲食関係は82例と少なくはないが大多数ではない。この82例の中には「飲食店と判断できない事例を含む」と追記されており、実数はさらに少ない。

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確かに

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