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Tuesday, March 2, 2021

定型の窓から:時代の大きな曲がり角=片山由美子 - 毎日新聞

トランプの絵札のように集まって我ら画面に密を楽しむ 俵万智

きのふとは一日限り鳥雲に 片山由美子

 新型コロナウイルスが世界中に広がり始めて既に一年、感染予防をすべてに優先する生活が身についた。

 ライフスタイルが大きく変わった人も少なくないようだ。自粛生活の間に“断捨離”を進めたという話をよく聞く。身の回りの必要最低限のものだけを残し、生活の無駄を省ければ、確かに快適な生活が送れそうだ。物についてはそうした整理がつくが、精神的なものはどうだろうか。無くてもいいものは捨てるとなると、逆に人の心には何が必要かということを考えさせられる。

 俳句や短歌を作ることを趣味としてきた人たちが、それをやめてしまうのではないかと心配する声があった。確かに、カルチャーセンターの教室で学んでいた人が通うのをやめたという話を聞いた。しかしながら、新聞や雑誌の俳句・短歌欄ではむしろ投稿数がふえ、新たな投稿者が見られるようになっている。不安な時代だからこそ、心のよりどころとなるものが欲しいということだろうか。そのひとつが文芸であるとしたら喜びたい。

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確かに

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