
みなさんからの疑問に答える「シラベルカ」。今回は、函館市に住む40代の主婦からコロナ禍の冬ならではの質問をいただきました。
函館市の40代主婦
「肌が乾燥しやすい時期になり、最近は手荒れを気にして消毒をしない人を見かけるようになりました。そこで、肌が乾燥した状態で手洗いした場合と保湿した場合では、汚れの落ち具合に違いがあるのか調べてほしい」
肌の状態が洗い残しにどう影響するのかに着目したこの投稿。さっそく投稿してくれた女性を訪ねました。
消毒スルー、増えていませんか
投稿してくれたのは、函館市に住む吉川亜紀さんです。自身も手荒れがひどく、ハンドクリームが手放せないという吉川さんは、最近あることに気づいたそうです。

「スーパーや施設に入るときに、けっこう入り口にある消毒液を使わないで入られる人が最初のころより多くなったなっていう印象があります。手が荒れているからアルコール消毒を使いたくないっていう人は、少なからずいるんじゃないかなという気がします」
確かに冬は手が乾燥していますよね。さらにコロナ禍で、手洗いやアルコール消毒の回数も増えています。冬はアカギレになるほど乾燥肌になる記者も、確かにつらく感じるときがあります。
そこで街の人たちにも、手洗いや消毒についてどう思っているのか聞いてみました。
「手を洗ったりとかアルコール消毒をする機会が増えて、手荒れにすごく悩んでいます」
「昔使っていた除菌のものはすぐに手が荒れた。皮がすぐにはがれちゃったので」
「アルコール消毒液があちこちにいっぱいあるので、いっぱい消毒するから、本当に手がカサカサになる。悪循環ですね」
やはり手洗いやアルコール消毒で共通している悩みは、「手荒れ」のようです。
肌の状態で洗い残しに違い!?
そして、この手荒れこそ、吉川さんが投稿したきっかけなんです。
「手が荒れていると細菌やウイルスが手に残りやすくて、感染の原因になるということを感染対策で見聞きしたことがあります。実際に比べてみたら、どのぐらい汚れの落ち具合や洗い残りに違いがあるのかは気になっていたので、調査していただけたらと思います」(吉川亜紀さん)
これは確かめてみるしかありません。
手洗い実験をやってみた
さっそく記者の「手」で、手洗い実験キットを使って調べてみることにしました。
手洗いをしたとき、乾燥した手荒れの状態と保湿して潤った状態で、汚れの落ち具合に違いがあるのか、日にちを分けて実験しました。

乾燥していると…
まずは乾燥した状態。1週間まったく保湿をしなかったカサカサの手に、汚れやウイルスに見立てた専用のローションを手にまんべんなく塗ります。

そして、入念に手を洗います。

最後にローションの落ち具合を見るために箱の中に手をかざします。

その結果は —

「光っている!ちゃんと洗ったのに・・・」
ブラックライトに当てると、洗い残しの部分が白く光って見えるのです。よく見ると、手の甲の指と指の間や関節の部分が光っていました。かなり入念に手を洗ったつもりでしたが、かなり白く光ったため、結果は少しショックでした。
保湿していると…
次に肌を保湿した状態で実験するため、2日間、念入りにハンドクリームを塗り込みました。

そして、しっかり保湿され潤った手で、再び同じ実験をしてみました。その結果は予想以上のものでした。

「全然違う!」
前回の実験では、指と指の間などに洗い残しの部分がはっきりと光っていましたが、2回目の実験ではそれがほとんどありませんでした。同じ方法で手洗いをしましたが、明らかに前回よりは光っていませんでした。
手荒れはウイルスが侵入しやすい
こうした結果をもとに、皮膚科の専門医 日景聡子医師にも聞いてみました。

「手荒れした手と保湿した手で、汚れの落ち具合に違いがあるかを比較検討した報告というのは、実は今のところありません。ただ、手荒れがあって皮膚が乾燥していますと、皮膚のバリアが乱れた隙間から細菌やウイルスが侵入しやすくなりますので、手荒れを放置しないということは、感染対策にとっても必要だということが言えると思います」
これは皮膚の仕組みが大きく関係しています。
皮膚の表面の角質層は、皮脂膜によって守られています。

しかし、手洗いやアルコール消毒の回数が増えると皮脂膜が次々に失われ、回復も追いつかなくなります。

すると、皮膚の水分が蒸発し、角質層が乾燥して隙間ができてしまいます。この隙間に汚れやウイルスがたまりやすくなってしまうのです。
だからこそ、手洗いとアルコール消毒は保湿とセットで行うことが大切。保湿のポイントも伺いました。

「ハンドクリームを使う場合に、軟膏やクリームタイプだと、人差し指の指先から第1関節ぐらいまでを出すと、両手に塗る目安の量になります。ローションタイプだと、1円玉ぐらいを出す目安にしていただければと思います。また、塗るときに手の平や手の甲に塗る人が多いんですけども、指先や爪まわりも乾燥しやすいので、そういったところも優しく塗っていただければと思います」(日景聡子医師)
そのほか、日景医師による保湿のポイントをまとめました。
- 保湿ケアは手洗いやアルコール消毒をしたあとに、こまめに行う。
- 部屋の湿度を50%前後に保つ。
- 手洗いのときは皮脂が流れやすくなるお湯を避け、強くこすらず優しく洗う。
- 手を拭くときは、こすらずに押さえるように拭く。
- 保湿するときに皮膚がぬれていると、皮膚の水分も一緒に蒸発して余計に乾燥するので、しっかり水気を拭き取ってから保湿する。
取材後記
私はこれまで保湿に無頓着でした。冬の季節になると手や足が乾燥し、ときどきアカギレになって「痛いなあ」とは思うものの、「冬だからしょうがない」と諦めて、きちんとした対策をしたことがありませんでした。
しかし今回、自分の手で手洗いの実験をしてみて、予想以上に汚れの落ち具合に差があったことは驚きでした。肌が荒れた状態を放置することは、感染対策にとってもよくないということが、はっきりと分かりました。
今後は手荒れをそのままにせず、手洗いやアルコール消毒に加えて、保湿ケアも心がけたいと思いました。
取材:函館放送局・鮎合真介記者
2021年2月15日放送


からの記事と詳細 ( NHK札幌放送局 | シラベルカ#40 保湿でウイルス退治!? - nhk.or.jp )
https://ift.tt/3s26akI
確かに
No comments:
Post a Comment