今回のテーマは、「バイデンの『懸念材料』バーニー・サンダース」です。ジョー・バイデン次期米大統領は11月23日、外交・安全保障チーム、同月29日に経済チームの主要閣僚・高官を発表しました。
ただ、その中には民主党大統領候補指名争いを戦い、撤退後バイデン氏を支持した急進左派のバーニー・サンダース上院議員(無所属・東部バーモント州)及び、エリザベス・ウォーレン上院議員(民主党・東部マサチューセッツ州)が含まれていませんでした。 加えて、外交・安全保障チームには、国防長官の最有力候補と目されているオバマ前政権のミシェル・フロノイ元国防次官の姿もありませんでした。本稿では、バイデン次期大統領とサンダース上院議員並びにフロノイ氏の関係について述べます。
バイデンの思い
バイデン氏は米NBCテレビのインタビューで、今回の上院選と下院選において、共和・民主両党の議席が拮抗したので、サンダース・ウォーレン両氏には議会に止まってリーダーシップを発揮していもらいたいと、自身の考えを明らかにしました。そのうえで、両氏を閣僚に入れないのは、「彼らに能力がないからではない」と説明しました。 確かにサンダース・ウォーレン両上院議員が入閣すると、フィル・スコット知事(東部バーモント州)及びチャーリー・ベーカー知事(東部マサチューセッツ州・共に共和党)が、2人の議席を補充するために、共和党議員を指名する可能性が高まります。仮にそうなれば、共和党上院は来年1月5日に決選投票が行われる南部ジョージア州の2議席を含め、最大で54議席まで伸ばせることになります。 一方、下院選において民主党は多数派を守ったものの、9議席を減らしました。ということは、民主党大統領候補指名争いで崖っぷちのバイデン次期大統領を救った黒人の重鎮ジム・クライバーン下院議員(民主党・南部サウスカロナイナ州)も入閣しないということでしょう。バイデン氏は下院でのクライバーン院内幹事のリーダーシップに期待しています。
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December 04, 2020 at 10:24AM
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