
――師匠! 師匠にはあまり関心はないと思いますが、夏のスルメイカがやっと釣れ出したようですね。
「確かに俺はイカ釣りは好きじゃないが、だからといってイカの状況に関心がないわけではない。特にここ数年のスルメイカの動向は気になっている。どう考えても“昔”とは、違う状況が続いているからな」
――確かスルメイカって日本で一番たくさん取れるイカでしたよね。
「ああ、その通りだ。以前はヤリイカが1杯1000円の時にスルメイカは、1杯100円というのが“相場”だった。それは少々乱暴な言い方をすれば、ヤリイカがスルメイカの10倍うまいわけではなく、10倍取れていたからに他ならない」
――ですよね。そのお話、以前にも聞きましたし、築地の市場でも同じようなお話を聞きました。
「そのスルメイカが、とにかく釣れない。というより“漁獲量”でもここ数年、相当落ち込んでいるようだ」
――この間、函館のお友達に聞いたんですが、名物の“イカそうめん”の材料のスルメイカが本当に取れなくて、漁師さんもお店の人たちも皆さん物すごく困っているそうですよ。
「そういった話は、あちらこちらであって宮城・塩釜港では、夏と言えばスルメイカの半夜釣りが風物詩になっていたんだが、もう何年もまともに釣れていない。最近じゃ乗合船も出なくなっちまったよ」
――ここに来て、相模湾と東京湾口周辺で釣れているようですが、大丈夫なんでしょうか。
「大丈夫!と言いたいところだが、とにかく、数日でコロコロと状況が変わっちまうことが多いからな。サイズもよくなってきたようだし、今回はしばらく釣れ続くと思うがな」
――夏のスルメイカ釣りといえば、何といっても“船上干し”ですよね。海風で干したイカのうまさは格別ですものね。
「確かに船上干しのイカはうまいよな。この間、“イカの長井”の船長から電話があって、『ウチはソーシャルディスタンスも万全ですから、久しぶりに遊びに来て下さいよ』って言ってきた。父君を誘って久しぶりに“夏スルメ”を釣りに行くか」
――ええ、行きましょうよ。父も“巣籠状態”に相当ストレスを感じているようで、『どこでもいいから、師匠に釣りに行きましょう』と伝えてくれって頼まれて来たんですよ。
「よ~し、どこにも寄らず船宿に直行直帰で行きましょう-と父君に伝えてくれ」
――はい。分かりました。
「船宿に予約の電話を入れるから、父君の都合を聞いておいてくれ」
――はい。了解です。
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August 13, 2020 at 10:00AM
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